ハワイの歴史に触れる鉄道の旅
先週末は息子のリクエストでハイキングに行きましたが、今週末は息子のリクエストで鉄道に乗りに行きました。
本当は新幹線に乗りたいというリクエストだったんですが、あいにくハワイにはまだ新幹線の駅がありません。なので普通の鉄道です。
あれ、ハワイに鉄道なんかあったっけ?
と、ハワイに来たことある人なら思うはずです。すでに廃線になっていますが、オアフ島はその昔鉄道の島だったんです。
これがその当時の路線図です。
ホノルルからノースショアまで、鉄道が通っていたんですね。
1898年から1947年までのことです。
当時の鉄道ルートを今のオアフ島の地図と見比べると、面白いです。
オアフ島の中心にワヒアワという終着駅があります。現在は、ドール・プランテーションがある辺りです。
この辺りでは、その昔パイナップルの栽培がおこなわれていました。今でも少し栽培されています。
今はパイナップル・ソフトクリーム食べて、巨大パイナップル迷路を楽しむ観光地になっています。
当時は、収穫したパイナップルを鉄道でホノルルの缶詰工場まで運んでいたのでしょう。
ちなみにドールの缶詰工場はチャイナタウンの少し先にあって、今は映画館とちょっとしたショッピングを楽しめる施設になっています。
もう一本島の南側へ伸びて、西側からノースショアいる路線があります。
これは、サトウキビ畑があった地域を繋いでいます。
Ewa Millという名前の駅がありますよね。この辺は今では住宅地になっていますが、昔はサトウキビの一大産地だったんです。
Millというのは、工場という意味です。ノースショアでとれたサトウキビを鉄道で運び、エワの砂糖工場で加工してホノルルの港まで運んでいたのでしょう。
僕が個人的にちょっと驚いたのは、鉄道が島の西側の端のカエナ ポイントを通ってノースショアへ繋がっているということです。
現在のカエナ ポイントは自然保護区になっていて、徒歩でしか行くことができません。
僕も一度ハイキングに行ったことがあります。岩がゴツゴツしている崖で、すぐ下は海という地形です。
100年前にはあそこを鉄道が走っていたのかと思うと、ちょっと感動します。
カエナ ポイントはオアフ島の絶景ポイントです。
車窓から見るカエナ ポイントは、最高だったことでしょう。
話がちょっとマニアックになってしまいました。
現在はハワイ鉄道協会という非営利団体が、エワ ミルのあたりからコオリナまでの間の路線を復元しています。
運行は午後1時と3時の2回です。
午後3時発の列車は、コオリナで一度下車してアイスクリームを買うことができるのでおススメです。
敷地内には、かつて使われていたSL機関車がいくつも展示されています。
子供連れの方には、同じく敷地内にある鉄道おもちゃ博物館もお勧めです。
鉄道模型とジオラマが展示されていて、模型の電車が走り回っています。列車を操作することもできて、子供は大興奮です。
客車内は飲食OKなので、水筒とスパムむすびを持っていきました。乗り場付近にお菓子やレモネードが買えるスナックスタンドもあります。
これが現在使われているホイットコム社製ディーゼル機関車です。
ホイットコム社製の機関車が最後に製造されたのは、1952年だそうです。ということは、この機関車はおそらく70歳以上です。まだまだ現役です。
客車は、屋根が付いているだけの開放的な作りです。長い木製のベンチが左右を向いて設置されていて、外が見えるようになっています。
行きと帰りで左右の席替えをするので、どちら側に座っても同じ景色を楽しむことができます。
さて肝心の鉄道の旅程ですが、最初の半分は住宅地やショッピングモールの裏手を進むので、正直あまりよい眺めとは言えません。
ガイドのおばさんがマイクで何やら解説してくれますが、残念ながら遠くてイマイチ聞きとれませんでした。
昔は左右に一面サトウキビが生茂っていたことでしょう。サトウキビの茎はは3メートルの高さまで成長します。当時は右を見ても左を見ても、サトウキビしか見えなかったはずです。
今は右も左も住宅地です。100年経つと、景色もだいぶ変わります。
何か所か踏切を通りますが、一日に2本しか運航しない鉄道です。ちゃんと遮断機が下りてくる踏切は2か所しかなく、残りは職員が下りて車を制止します。
踏切を通るたびに停車中の車の運転手がシャカのハンドサインを送ってくれます。日本では見ないハワイらしい光景ですね。
コオリナ付近まで行くと、だいぶ景観が良くなります。コオリナはラグーンビーチやゴルフ場があって、観光地として整備されています。
ディズニーアウラニに宿泊中の観光客や、結婚写真を撮影中の新婚カップルをたくさん見かけました。
この鉄道は、コオリナを通りずぎてカヘ ポイントというビーチの前で折り返します。
カヘ ポイントは、別名エレクトリック ビーチという名前の人気のビーチです。
ハワイ電力の火力発電所が近くにあるから、エレクトリック ビーチです。
火力発電の冷却に使用した海水を、海底のパイプから放出するのですが、暖かい水が出ているので魚が集まってきます。
温水の噴出孔まで潜っていくと、ものすごい勢いで30メートルくらい流されます。泳ぎに自信のある人は挑戦してみてください。
朝早くいくと、イルカの群れに遭遇することもあるそうですよ。
もし西オアフに来る機会があったら、ぜひハワイ鉄道協会に遊びに行ってみてください。
家族で楽しめますよ。
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