動画クリエイターに必要なマインドセット

たまにはチラ裏な話でも(いつものことか?)
一部夢を壊すかもしれないであろう表現が多々あるので、リアルな話が苦手な方はブラウザバック推奨。

有名なYouTubeクラス※①になると、動画を一人で作っている人間はごく僅かに限られてくる時代になりました※②

損益分岐点まで考えて運営してるチャンネルがあるのかどうかは詳しくはないですが、レートと自分のアナリティクスで照らし合わせて真面目に計算しようとすると…
(多分)登録者2万人で毎日コンスタントに動画を上げることが可能で平均再生数3000弱あるなら、消費者金融で職業Youtubeと言ってもお金を借りることが出来るラインだと思います。
つまり、月収にすると13~17万程の安定収入がある状態です。
こうしてみると(Youtubeはレート計算方法が特殊なため単純に5倍とはいかないですが)10万人超えているチャンネルは有名Youtuberとして表参道あたりでも大見得切って闊歩することが可能でしょう。
地域差はありますが、新卒で得られる平均月収ラインですね※③

副業と割り切るのであれば、月3万で簡単な編集だけ委託させても十分元は取れます。
今の動画委託が最低金額1本1,000円なことを考えると割と現実的な数字ではないでしょうか。
ただ、動画1本1,000円は安すぎます。最初はこれで動いてくれる人を見つけたとしてもいずれ切られます。
最低限のテロップだけとか、カットだけだとか割り切らないと、いずれこっちが割り切られます。モチベーションはクオリティに直結しますしね。
ちゃんと個人として囲いたいのであれば1本最低3,000円から提示しましょう。30日で9万円。資材としては結構な投資になりますね。
しかし休みなく毎日稼働させて月9万って考えると、出資側からすると手痛い金額ですが、雇われ側からすると不満のほうが大きくなりそうです。
そこで、2人採用の隔日体制1本2,000円からっていうのはどうでしょう。
雇われる側も中休みの月15本、2日に1本作るだけで30,000円貰えるって考えたら美味しい副業だとは思いません?
投資側も30%節約出来てwin-winです!
これを3人に分けるとどうでしょう?
3日に1本なら初心者でも調べながら作ることは可能でしょう。クオリティを見直す時間も十分にあります。でも最低限の品質担保なので1本1,000円としますね。
1案件として捉えると月10本の動画で1万円の稼ぎ。でも空き時間は作れましたので足りない方は他の案件で埋めていきましょう。
投資側の出費は月3万円。こうすると2アカウント運営も現実的な視野に入れられそうですね。2垢なので単純に収益2倍!
30万の収入なら6万投資しても痛くないはず!

…ごめんなさい。段々と黒い話になってきました。
こうやって日本は作業員が安く買いたたかれる時代になっていったんでしょうね。

僕がこういう数字やお金の話を出すときはネガティブな切り口になりますが、
結論としては、"動画を毎日出すって相当心折られる作業なんです"って話です。

動画クリエイターってスタイリッシュな姿を想像するだろうか?
大体が肩こりに悩んでいる"IT土方の亜種"なんです。

★まず想像し辛いであろう動画クリエイターのタイムスケジュール★

案出し    0~3時間以上。お蔵入りする可能性もあるため青天井
撮影/録画/DL 約1~4時間 切抜きならマルチタスク可能だが材料待ち有
素材の選定  30分
通し見    1時間(モノによるが、カットしながら
       「あーでもないこーでもない」と唸りながら見ることが多い)
動画のカット 1本20分~1時間(ジェットカットのみ)
       後続作業しながらの手直しがあるため1~2時間として見たい
テロップ付け 10分の動画で1時間~2時間。喋る内容による
装飾(画、音)   30分~2時間(素材探しと並行に行うことが多いため乱調。
        最長6時間かけていたこともある。思った素材がないため
        素材を作るために2時間かけていたりすることもある)
一旦通し見  10~20分 ここで全体のバランスを調整する。
装飾2      10~30分 寂しい箇所に継ぎ接ぎしたり、補足を入れたり…
書き出し   5分~20分  動画の書き出し作業。
             待つだけだがここが一番マシンパワーが必要
サムネイル作成 5分~1時間 ここおざなりにする人も多かったり、
             例えばシリーズものであると手を抜きがちだが
   実際は一番重要だと熱弁したいためこの振れ幅にした。
   一番こだわって4時間かけたこともある。数字は伸びませんでした…。
アップロード 10分 アップロード待ち時間の裏で
          タイトルと概要欄を作成する。
          ここで悩むことも多い。
(予約)投稿とTwitterなど 5分 ここで(ry

記憶を辿りながらざっと書き出してみると、大体軽めに見積もって編集だけでも2~3時間くらいだと思います。
実写、企画やゲーム実況、切り抜き等ジャンルによっても時間は様々ですし、例えばゲーム実況にしても自分が熟知しているものならカットするポイント(取れ高)も意識しやすいです。
普通のゲーム実況スタイルなら配信感覚で3時間ほど通しで収録して細かく切っていくと、かなりの時間短縮にもなりますから色々試しながら自分にあったスタイルを見つけていくまで右往左往する期間も必要です。

そもそも、慣れとモチベーションでかなりタイムは変わってきます。
例えば一番大事なエンジン部分の"案出し"
自分一人なので他の作業をしているときに、パッと「あ、これ面白いかも」と思いついてメモに取っておいたり、
夢で見たものを天啓だと思い込んでその勢いのまま作り上げることも多々あります。(夢の中でもネタ探しています。だから睡眠浅いのかな?)
そういうときは案出しにかける時間は0分だと思っていますが、
作ってはお蔵入りを繰り返して結局4時間デスクに向かって一つも完成に至らない、なんてことも日常茶飯事だったりします。

こういったスランプのときは案出しすら辛いですし、なんとか絞り出して
「でもつまんねぇな…大して伸びないだろうな」と思いながらやる後工程はこの世の地獄です。そもそもそんなテンションで深夜時間帯に作業してたら眠い眠い。睡魔との勝負です。で、結局寝た方が効率が良いと割り切ってリスケする。リスケするとモチベが下がったり、どこを見せたいのか分からなくなったりして後でやろうという名のお蔵入り…これぞ悪循環。
人間、如何にゾーンに入れるかが鍵といっても過言ではありませんね。

調子が良い時は天職だと思えるくらい
「楽しいからやる」を地で貫き通せますが、
それが全部返ってくる瞬間があるんですよね※④

一時期10分弱の動画にテロップ入れるだけで毎日朝迎えていました。
慣れてくると上手く手を抜けるようになるというか、
ニーズと自分がどうしても見せたい部分、見せなくても良い部分に折り合いの付け方がなんとなく分かってきて、
手を抜くって表現はなんかネガティブで語弊があるから…
うーん…まぁある種の生存戦略と言ったほうが精神衛生上良いでしょうか。

動画や配信って、こだわればこだわるほど青天井なので
"ストッパーの自分"が必要なのです。
それがいわゆる"引き算"の走りだと思っています。

今のニーズとして引き算が大事、初志貫徹、シンプルイズザベストに立ち返ろうと言われていますが、誰が最初に「○○は必要」、「○○は不必要」だと決めたのでしょうか?
それは、実務の中で身につけた"その人のある種のメソッド"なのです。
決まり切った答えが欲しい人は「この人の言葉は信用できるな」と素直に頷ける人を探すと良いでしょう。
例えば、サムネイルに「キャラが乗っているのに文字を載せる必要がないし、ゲームロゴを載せてるのにわざわざゲームタイトルを書かなくていい。
全てにおいて2重にする意味を説明できないのであれば蛇足」と言い切ってしまえる佃煮某先生は
自分のメソッドを明確に言葉にしていて、とても分かりやすいです。
デザイナーの視点から見ていることが分かるので信頼性も高いです。

プロと呼ばれる肩書には、生き抜いた実績に裏打ちされた厳しい視点を持っているものである。

そろそろ締めとしてタイトルを回収しますが、
最初はルールブックを読むかのように
やるべきこと、やらなくていいことを何かを参考にしながら照らし合わせていくと良いですが、いずれ時間がかかりすぎることに気付きます。
つまり、テイのいい言い訳を常に頭のどこかにセットしておいて、言語化し、自分なりのメソッドを確立していくことが、モチベーション維持、時間管理、クオリティー向上のためのマインドセットになると言えるでしょう。

※1.世間からすると軽く見られるかもしれないが、登録者1万人超えで、すでに中堅のイメージがある。
以前にも少し触れたが2016~2019年くらいの波に乗れた人はバブル的感覚で伸びた人が多かった。
今から目指すとなると徹底した差別化or元々の知名度が求められる。
当時からすると相当にユーザー目線/製作者目線共に水準が上がっていることは言わずもがな
ジャンルにもよるだろうが有名10万、中堅1万、1人前1000人で前提を置くことにする

※2.委託か雇ったり知り合いと共同がほとんど。普通に個人向けに委託募集してたりするところがあるのもチラホラ見る。Youtubeのアニメ風詐欺(諸説あり)広告やアプリなどの広告も案件で見たことありますね。一番低いところだと1000円~。編集に4時間かけてたら時給250円。安すぎる。

※3.この話題はホットなので人生で1回はバズってみたい人はTwitterで日本時間6時、8時、12時、15時、18時、19時、21時あたりで擦り続ければいつかバズることが可能。予約投稿オススメ

※4.楽しいからやっていたはずが義務感に変わってくる瞬間が絶対にある。待遇に文句を言ったとしても、どこかから「楽しいからやっていたんだろう?文句言うなよ」と問うてくる声が聞こえてくる。
これは動画だけではなく、例えば歌や絵や小説とか感性が影響するものは全てそうだと思ってる。
ま、このnoteだって趣味なわけだ。気付いたら2時間キーボードを走らせて4,800字弱書いていたとしても特に何もない。自己満足の塊。それでいい。と思おう。
これらを"こだわり産業"と密かに僕は呼んでいるが、単純な時給では見れない分野は全てこれに当てはまると言ってもよい。例えば企業が個人絵師にPR用のポスターを依頼するとき、納期を設定するが絶対にどんぶり勘定なわけで、その人がどんな思いを込め、紆余曲折で書いているかは査定されていない。
1週間で、と言われて「実働8時間×7日×時給2,000円=1枚112,000円で依頼します」と言われたとしても3時間で仕上げちゃう人もいれば、
1週間かかって再提出くらう場合もある。じゃあ効率を突き詰めて3時間で1週間の賃金を得られる人が天才絵師かと問われればそうでもなかったり。
100日ワニみたいな絵柄と描き込みの鬼こと大暮維人を比較してもしょうがないでしょって話で。(相場が分からないので料金は適当です。でも実際の現場でもこのくらい適当に決めてそう。ナレーションや声の仕事は文字数あたり○○円という絶対の相場があるが、リテイク出すかどうかはまた別の話なんです。はい。リテイク出して音響から怒られてベテランが明らかにイライラしてきてブースの中の人間たちが腕時計ちらちら見だして心臓が押しつぶされそうになりながら「ベテランの方は先に帰ってもらって自分だけ後撮りで良いですから…やめてください死んでしまいます」と思いながらなんとか撮り終え、帰りの電車に飛び込もうと思える現場だとしても貰える金額は変わらない訳です)

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