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月刊そうすけVol.11

2002年8月8日に開店して今年でちょうど20周年。月刊そうすけと名を打ったメルマガがスタートいたしました。
様々な角度から「古家具古道具そうすけ」をご紹介していきます。
ー物の心を助けるーを社訓とする「古家具古道具そうすけ」
その名の通り店内には、愛情を持って丁寧に補修された古家具や古道具たちが並びます。
一見気づかないほどのさりげなさで、隅々まで美意識が行き届いた店内の様子は来店したものの心を静かに満たしてくれます。
・・・・・・・・・・・・


季節がどこかへいってしまったのか?寒かったり暑かったりが続きますね。
さて、そうすけのグレイトフルなスタッフ紹介は一旦おやすみ
(まだまだ取材したい方はおりますよ!)
今回のテーマは「接客」です。

皆様にとって、良い接客とはどのようなものでしょうか?
ああ、このお店心地よかったな、また来たいな、と思うのはどんなお店でしょうか?

そうすけの店長米倉氏がもっとも重要視しているのが、接客=販売。

先月から新しいスタッフが販売に立ってみよう、ということで
接客未経験の彼を指導しながら、米倉氏が改めて思った「そうすけ流接客」についてお聞きしました。

●接客という言葉に惑わされるな

新人スタッフを立たせて改めて思うことは「接客」という言葉を勘違いし惑わされる人が多いということ。
接客は接待ではない、お客さんを持ち上げることでもない。
ありがちなのは、かしこまったり丁寧にしすぎちゃうこと。それは違うでしょ。
お店のキャラクターと自分たちがしたい接客のスタイルを明確にしていく。
それは普通の接客(普段通り・普段着の接客)

「社長が短パンにビーサンでしょ、畏まってネクタイしたような接客はおかしいでしょ?普通に会話してて、自然に年上、年下で言葉遣いが変わるでしょ、それで十分なんです」

店主の服装はこんな感じです!


●販売員は役者であれ

米倉氏の前職はアパレル業界。
VANヂャケットで販売員をしていた頃の教えは「販売員は役者であれ」
その真意は、お客さんがどれだけ安心して楽に心地よくお店で買い物ができるかということ。
洋服をたたみ直したり、お客さんと対面にならないように
自分が居る場所や角度までお店で演じましょうということなのだそう。

実は日常的に買い物をして疲れることを世の中の人は体験していると言います。
一つの理由は店員に対する恐怖心。
「お客さんは怖いんだよ、買わなきゃいけない、とか。
そうすけは街中でもモールでもない、わざわざここまで目指して来てくれている。それにもきっと勇気がいる。」

お客さんは怖がってるかもしれない。。。という前提で立ち居振る舞いをすることが大事だそうです。

お店は舞台!


●例えばちょっとしたテクニック(昼の水商売)

背後から話しかけない!というのは鉄板。
※「俺の後ろには立つな」というゴルゴ13のセリフを思い出しました(厳密には違うらしいのですが)
そして正面にもまわらない。

そういえばホストクラブなどでもホストは横に座ることをよく目にしますね!

何気なく、悪気なく言った言葉が余計なことだったりすることもある。
あまりおしゃべりじゃない方がいいし、聞き役の方がよかったりする。
NO1ホストやカリスマ美容師(今はあまりいないかもだけど)も聞き上手かつそれを聞いて表現することができる人。

米倉氏は新聞・天気予報・ニュースを見なさいと言います。

「販売は昼の水商売」 

銀座のお姉さんが広く知識があることでいろんな年代の人と話せるように
一般常識の言葉遣いがわかってて崩せるのが大事。基礎がわかってなくて崩してもすぐバレちゃう。

場数を踏まないとわからないことも多いことは確かですが・・・。

俺の後に・・・

●1の句2の句・・・3の句

これもコツの話。
まず1の句。
お客さんが来店した時はさらっと「こんにちは、何かあれば声かけてくださいね」くらいにしておく。

店内を巡るお客さんを観察し
次の2の句、ここが肝心決め所!!

アンテナを全方向に向けて、お客さんは何を会話してる?どこに興味がある?滞在時間はどのくらい?
販売の役割は気配り、それができなければいない方がいい。 

2の句で「何を声かける」かで、お客さんが怖がるか、逆にお客さんから話してくれるかが決まってくるそうだ。

スタンバイ・・・お客さんが声をかけやすい位置で作業する。メジャーやメモを持って近くで測ったり、
対面でも背後でもなく、お客さんに気を使わせないやり方で。

もうそれはモテ男のテクニック。
そう、販売はナンパと同じ。観察して、5W1Hを聞き相手のヒントをもらう。

そしてそこから3の句4の句と続いていくのだそうです。


アンテナビリビリ!


●自分のキャラクターを活かす

キャラクターは全員違います。その印象のようなものも利用できます。

例えばご自分を例に取られ、
「俺の印象はごつい・怖そう・買わされそう・・・例えばねw」
その印象を2の句の時に、あれって思わせる。
「普通じゃん?本当はすごい優しいのかな?マイナスからのスタートでギャップ萌えを利用するんだよ」

例えば見た目が頼りなかったり舐められるタイプでも
実はしっかりしてんじゃん! それもギャップ萌え。

「自分のいいところ、悪いところをちゃんと把握しなさい。
自分のことを悪く書き出す、それを変換する言葉を探してみる。
その反面はどうなの?己を知ることが大事です。」

それがあれば、どんな店にしたいかが見えてくると言います。


●察する能力

きて欲しい、きてほしくない、ほっておいてほしい、おかれたくない。
そして好みを察知する。 

それは相手に興味を持つということにもつながります。
例えばファッションは案外性格までわかる。

米倉氏がアパレル時代に最も勉強させてもらった場所は新宿の2丁目だと言います。
お水の人の立ち振る舞い、絡み方、それはエンタメ。

1の句、2の句あたりでお客さんから問いかけた言葉が正しければ
お客さんから話してくれる。

実は商品説明というのはほとんどしないというのも驚き。
イメージを持って来客するお客さんにまず共感してあげる。
「私間違えてないんだ」と安心につながる。
かしこまらないで、近所や親戚のお兄ちゃんやお姉ちゃんみたいな距離感で接するのもそうすけ流だそうです。

一番イメージを持つのはお客さん。
何を探してる?どこに置く?どんな用途?
それは5W1H。

3の句あたりになりようやく具体的な話を聞きつつ、最後までお客さんに判断を委ねる。
こちらから一方的に商品説明やおすすめはしない。
最後の最後で決め所、説明どころが来るまで。

「実地でやると距離感や俺が言ってる意味もわかる」と米倉氏。

公式があるようで無い、難易度の高いお仕事ですね。


●嘘をつかない(誠実)

米倉氏からよく出る言葉は
「嘘をつかない」

お店ではひそひそ話し禁止。
お客さんが不安になる要素は一つも出さない。
嫌な思いはさせたくない。

「街に出ればそういうことはしょっちゅうあるし、わざわざうちにきた人にはああ楽しかったと思ってもらいたい。
お礼のメールをいただいたりすると嬉しいし。
それにはある程度こっちが技術を持ってた方がお互い楽でしょ。
プロ意識を持つことが大事。お店の人が空気を作るんだよ。」 

嘘をつかないで生きるのって結構ハードルが高い。
テクニックもないと、自分も相手も傷つけてしまうことも多いから。
そこを超えた技術を米倉氏は求めているのだと思うと、、、。


●フィフティーフィフティー

今までのことを総括すると、
つまりお店とお客さんは「フィフティーフィフティー」であるということだ。
フラットな関係。
とても理想的で美しく清々しい。

●まとめ(人生経験とモテ・手のひら・土俵)

米倉氏がスタッフに求める技術は多方面でハードルが高い。
それについて来れている精鋭たちが今のスタッフの面々なのだろう。

「突き放すから、お前はどうなんだって」
そうすけで働くと人生スキルがめちゃくちゃアップするだろうなと思います。

そして、そうすけ流接客術に何より必要なのは
「人生経験」であるのかもしれない。。。とジワジワ感じました。

結局それは「モテ」につながるのではないか。。。

人は深層心理に、決めてもらいたいなとか、引っ張っていって欲しい
みたいなものがあるのかもしれない。

ここぞというところで、納得のいく形で気持ちよくスマッシュヒットを打ってくれる人、
がモテる人?なのでは?と。(一概にはもちろん言えませんが)

そしてそれらは自分が気づかないところで行われていることが大事。

つまり気持ちよく、素敵な(※もちろんここが大事です)手のひらで転がされたい願望というものがあるのでは?

それを求めてお客さんが足を運ぶ。
風通しがいいのは、その機能が気持ちよく回っているからではないでしょうか。

「そうすけに行けば間違いない」
と言ってもらえることが何より嬉しいとか。

一番大事なことは、「普通にすること」

達人レベルの普通。
普通ってなんだろう、一番難しくて、一番自然で、一番かっこいいのかもしれないです。

最後に

「日本中の接客が、普通の接客になるといいな〜」
米倉氏の一言。

お店もお客さんもナチュラルでハッピー。最高の世の中です。それは。


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記事:合同会社ノスリ舎
デザインと企画の会社です。ローカルや人にスポットと当てたお仕事をさせていただいております。

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