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sosoの素(109)

2022夏休み4

そこはいつもサッカースクールで使用しているグラウンド。そのスクールがない時は誰も使ってないことが多く自由に使える。
少し強く蹴るようになってきた息子は思い切りシュートをしたり僕と1対1をしたりして楽しく練習をしていた。
30分ほどやっているとなぜか息子の学年担当のサッカースクールのコーチふらふらっとやってきた。グラウンド全体を歩いてそのあとに戻って来た。大人として今日はオフだから何かしてもらうのはと遠慮してたけど、息子に話しておいでよとけしかけて話してると時間があるからと少し教えてくれていた。その間僕は娘とバレーをしていた。
そんなことをしているとたまたま同じ学年の他のスクール生も来てみんなでやることに。
僕は疲れたので見ていると休憩に来たコーチと少し会話した。
それまではスクールで教えてもらってる時は全てお任せで挨拶程度しかしたことがなかった。それは僕らだけじゃなく他の保護者も同様だった。
なのでどこまで話していいものかと練習のことで一悶着あったあとの僕は少し戸惑いながらサッカー連盟のことなど聞きながら話して、息子の話になって行った。
そこでコーチから息子さんのテクニックは今のスクール生の中でも上手い方ですよと言ってもらえた。いつもたくさんの子供達を見ているコーチからそんなことを言ってもらえて僕自身これまで一緒に頑張って来たことが報われた気持ちになった。
その流れで練習ではテクニックが出せるけど実践になるとどう活用したらいいのかわからないみたいで、、と話してみると、そのうちできるようになるしそのきっかけを掴んだ喜びがあるからあまり教えすぎてもよくないですしね。と言われてそれもそうだなとそれまでのスクールでのコーチの教え方を見ていると納得できる話をしてくれた。
帰ってからコーチが上手って言ってたよというと照れつつも悟られないようにふーんとだけ言って、次の日の朝、一緒に練習したいと言い出した。
次の日の朝、教えると言うよりはサッカーで遊ぶくらいの気持ちでボールを蹴っていた。そのうちいつか積み重ねてきたものが花開く瞬間がくるだろうから僕が肥料や栄養剤を与えない方がそのタイミングが来た時に嬉しいだろうからと。
それから息子は自主練の向き合い方が変わって行った。一人で近所の神社に行って一人で淡々とリフティングをしてなかなか帰ってこないことも。一緒にやる?と聞くと喜んでやるようにもなった。息子にスイッチが入ったのかはたまた僕のスタンスが変わったからなのかはわからないけど。

少し経ってからサッカー協会主催の2泊3日の合宿があった。
申し込むぎりぎりまで迷っていたけど思い切って行ってみると言ったこと自体が学校にいけなくてうじうじしていたことを思い出すと奇跡のように思えてくる。僕らも息子一人で外泊させることは初めてだからドキドキそわそわしていた。
合宿が終わってバスの到着場所で降りてくるのを待ってるとなんだか浮かない顔で降りて来た。この顔は上手く行かなかった時や不満がある時の顔で僕らからしたら長い旅から帰って来てやっと会えたのにどうしたの?となっていた。
帰宅後話を聞いてもなかなか原因を話さない。少しずつ聞いてるとお土産の話になってそこで一気に泣き始めた。
最終日は観光しながら帰ってくる内容で、その時に寄ったお土産やさんで何を買ったらいいかわからず、いいなと思った猫のぬいぐるみが渡していたお小遣いでは買えないくらい本格的で高いものだったようで、どうしようと迷ってるうちにバスに乗らないと行けない時間になって何も買えなかったことが悔しくて悲しかったらしい。
そんなことであんなに辛そうな顔してたの?と思いながらも、合宿で嫌なことがあったり楽しくなかったではなかったのでホッとしたし、来年も絶対行く!と言ってる姿をみるとホッと一安心した。

子供が毎日1ヶ月以上いる夏休み。
そして昔よりも過酷な暑さとコロナもあってほったらかすこともしにくい。
きっと親もだけど子供も大変だったと思う。
こちらもペースが乱れるから、子供の些細なことが気になってついつい色々言ってしまうけど、そんな日々の中に子供の成長のきっかけがあるし、親も苦しさの中での寛容さや許しを持つことで新たな感覚を持つこともできるのかもしれない。
少なくても我が家は大変ではあったけど、とても思い出深い夏休みでした。

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