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全財産使って星のリゾートに泊まる②

スタッフに連れられて、今日泊まる部屋に案内された。

部屋の窓から外が見えた。

標高600メートルから見る絶景。

心臓に"ズーン"と来るような爽快感。

これが一泊7万円の部屋。

1人で滞在するには広すぎる部屋。

夕食の時間まで1時間ある。

私は離れにある温泉に行くことにした。

自動スロープに乗って2分ほど外の景色を眺め
ながら温泉の場所まで降りて行く。

露天風呂から桜島が一望できる。

自然の山の中に1人ぽつんと裸でいて、
ただ目の前にある桜島を見つめる。

なんて贅沢な時間なんだ。

初めて体験する"優越感"

この場所を独占してる26歳、ホームレス。

昨日までインターネットカフェの座るコーナー
で肩を凝りながら眠っていたのに。


そもそも所持金0円で出てきたのに。

今一泊7万円の旅館に泊まってるんだという
気持ちが湧いてきた。

お風呂もあがり、再びスロープで部屋がある建物
に戻らないといけないが、スロープが来るまで
数分間待たないといけない。

スロープの停留所にタンクに入ったお茶があった。

喉が渇いてたので、飲むことにした。

、、、

、、、

なんじゃこりゃ!!

うますぎる!

甘い紅茶のような、しかししつこさもなく
喉にスッキリ入っていく。

もう一杯お代わり。

もう一杯。

私は3回温泉に入り、合計17杯のお茶を飲んだ。
(ちょっとでも元を取ってやろうという貧乏根性)

夕食は壁で区切られた個室に通された。

「先ほどスタッフからお聞きしたのですが、
ここまで自転車で来られたんですか?」

「はいそうです。今日本一周してるんです」

「すごい!今日はゆっくり休んでくださいね」

そう言いながら次々にコース料理を運んでくる。

茶碗がどこで作られて、この魚はどこで獲られて、
どのように調理したのか説明してくれたが、1文字
も覚えていない。

薩摩がどうちゃらこうちゃら言っていたが
私はポルトガル語を聞いてるのかと勘違いするほど
聞き慣れない言葉が並んでいた。


とにかく器からこだわっているそうだ。

「あ、ここにあったら飾りのお花も食べられたんですか?」

、、、

、、、

言ーといてーや!!

私みたいな貧乏人はとにかく出されたものは全て
食べると教育されてるので、知らぬ間に飾りの花
も食べていたようだ。


それぞれの料理がうますぎる。


「鶏肉をモナカで包んでみました。そのままどうぞ」

鶏肉をモナカで包むな!!

最初に考えた人誰やねん!!

ほんでむっちゃ美味い!!

一つ一つの料理が熱くなったり、
冷たくなったり、口の中で踊り散らかしとる。

これが一泊7万円のディナーか。

お腹いっぱいになって、私はロビーで紅茶を
飲みながら外の景色を見ていた。


私の横には裕福そうな家族も同じように
コーヒーを飲みながら外を見ていた。

数日前、私はコインランドリーでいかにも
「洗濯してますよ」みたいな顔をして座り込んで
眠っていた。

寒かったので、野宿を避けた日である。

すると私と同じように、少し汚い格好で50歳
くらいのおじさんが入ってきて、同じように座って
目を閉じていた。


今は横に裕福そうな家族。


あのおじさんと、裕福そうな家族は何が違うんだろう。


でも、両方とも私の未来にあり得る姿だなって思った。

私の活動に中間はなくて、超成功するか、
今のようにプラプラしてるかの2択だろう。

私は横にいる裕福そうな家族のように、
次は大好きな家族とここに来たい!

そう心に誓った。

これから鹿児島→沖縄間のフェリー代を買うと、
所持金も底をつく。


でも、きっとここにお金を使ったことは
大正解で、今だからこそ吸収できたこともある。


40歳になって、自分がそこそこ稼げるように
なって泊まる星のリゾートと。


その日暮らしでカツカツの状態でお金を稼いで
泊まる星のリゾート。

きっと後者の方は学びの"回収率"は比にならない
ほど大きいと思う。


今回の旅はお金はプラマイ0でいい。


いただいたお金は全部使う。


今しかできない体験に喜んで使う。


そう思えたのはこの星のリゾートがきっかけだった。


まぁ沖縄でも順調に靴磨きできるだろう。

しかし私の予想は甘かった。


続く。



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