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推しチームが目の前で負ける悔しさは、勝つよろこびのスパイスになる

2023年8月26日、横浜F・マリノスと横浜FC戦。人生初のゴール裏の最前という、いちばん試合を間近で体感できる席での試合観戦をしました。
しかし、結果は1-4。今期のJリーグ戦で、最も相手チームに点を入れられてしまう試合に。

試合結果がくやしくて、それを最前でみていたものだから、さらにくやしい!!!!と思い、正直noteを書くかどうか長く迷い、寝かせました。

でも、せっかくのご縁で、いい場所で試合をみることができて、最前だから感じることも沢山あったので、今日はあの日のことを書こうと思います!

私は、今年3月から横浜F・マリノスのオフィシャルパートナー企業となった、ランスタッド社員のはせがわです。

ちなみに、私が最前列のチケットを入手した経緯や、最前列観戦に向けて準備したことは、こちらのnoteにまとめています!

中心部に立って、戦う気持ちのギアが上がった

今年3月からスタジアムに通い始め、数えると、10数回のスタジアム観戦経験になった私。
これまでスポーツを現地観戦する経験がなかった私からすると、「サッカーのスタジアム観戦」の経験値はかなり貯まっていて、なんなら"こなれ感"を出せるくらいまでに成長したつもりでした。(言い過ぎ)

スタグルがめちゃおいしいとか、大体2時間前くらいにスタジアムが開門して席に入れるとか、キックオフ前に選手たちがウォーミングアップ練習してるのが見られるとか、キックオフ1時間前くらいになると人が多くなるので、それまでにスタグルは買い終わったほうがいいとか、電子マネー文化が超発達しててありがたいとか。

主に日産スタジアム情報だけど・・・!ごはん情報多めだけど・・・!

今回の試合会場だった、ニッパツ三ツ沢球技場にも何度か行ったことがあり、『うんうん、わかるわかる!』と内心思っていたのですが……

「今日の席、ここです!!!」と案内された位置は、本当にゴール裏のど真ん前でした。

いつもは引きで見ている横断幕が眼下に広がっていて、全貌がみえない!

いつもあこがれていた場所に、自分がいる。

あこがれというのが正しい表現なのか、今でも悩ましいのですが、私の中でゴール裏は、尊敬と畏怖とあこがれが入り混じった場所。
最前列って、もはや空気が澄んでいるというか、研ぎ澄まされているというか。ちょっと神聖な感じがありました。

その中心部に立ってみて、いつもの何倍も気合いが入ったし、いつもの何倍も、今日の試合も絶対勝たせるぞ!という覚悟を決めた気がします。
というより、ほんとうの意味で「私たちが応援で勝たせるんだ!」という気持ちを心から理解したのは、この日、この場に立ったときが初めてでした。

それからの試合では、どこにいても、「応援して、一緒に戦うんだ!一緒に勝つんだ!」という気持ちをより強く持つようになり、戦うぞ!という気持ちのギアが上がったなと思います。


ちなみに、この日は、バンデーラエリアがいつものゴールの真裏から少しメインスタンド側にずれていて、「ゴール裏も、メインスタンドも、バックスタンドも、みんなで声出し頑張ろう!!」という大一番の勝負の日でした。

なので、今回私はゴールの真裏にいましたが、バンデーラエリアではまだ応援経験がなく、いつかバンデーラを背負って応援するのも夢!

マリノスのトリコロールなバンデーラが並ぶゴール裏!

<バンデーラ(エリア)とは>
ゴール裏の中心部の座席付近に、放射状に設置されているタスキのこと。スペイン語の「Bandera(=旗)」が語源。
バンデーラエリアとは、ゴール裏の中心部に、最前列から1階席の一番うしろまでタスキが掛かっているエリア全体のことで、このエリアが一番声出しや応援がアツい席なのだ!

※私的見解なので、間違っていたらすみません※


高低差なし、視界良好、ゼロ距離の世界

さて、話を戻して。ゴール裏の中心部に立ってみると、いつも応援していた感覚とは、また全然違う気持ちになりました。

試合前、選手がアップをするためにピッチへ来たとき。シュート練習をしているとき。その一人一人の表情や息づかい、掛け合っている内容や声音まで、全部がクリアに聞こえる。

もともとニッパツ三ツ沢球技場は小さなスタジアムなので、選手を間近にみることができるのですが、メインスタンドやバックスタンドでみるのとは少し違う、選手たちのビリビリとした緊張感や空気、真剣さがより伝わってきます。

それもこれも、選手たちの目線と全く同じ高さで、目の前に何の障害もなくピッチが一面に広がっている、この位置ならではの体感でした。

練習が開始した瞬間から、暑さも何もかもを忘れて、ピッチの様子に釘付けになってしまいましたが、多分まわりのファン・サポーターの皆さんも同じ気持ちだったのではないかなと思います。


時間の感覚を忘れてしまうほどの夢中

ゴール裏の前方は試合前のアップの段階から立ち見なので、実質試合中の90分以上、合計すれば120分くらい、ほぼ立ち続けます。ときには飛び跳ねて、腕を振ったり、タオルを掲げたり、手拍子をしたりもします。

すごいなって思う?自分には無理だなって思う?

でもね、全然イケちゃうんですよ、これが。

とにかく、試合に集中しちゃう。(いい意味で)
ほんとうに集中しちゃうし、実際に行くと、自分にできる最大限の応援をしたい!!!しなきゃ!!!って気持ちに自然となっちゃうと思う。

実際、試合開始してから前半戦が終わるまで、一度も時計を確認しなかったです。いつもなら、あと何分だとか、気にする余裕(?)があるけれど、今回はそんな余裕も全くなく。とにかく戦況を穴があくほど見つめて目で追いながら、コールリーダーの声に合わせてチャント(応援歌)の声出しをめいっぱいして、腕を振り続けます。

「最近でいちばん、全集中で取り組んだことは何ですか?」って聞かれたら、「ゴール裏での応援です!!!」って迷わず答える自信しかない。

それくらい、全神経を集中させて応援したし、高低差も距離もないからこそ、まるで自分もピッチに立って、選手たちと一緒にピッチ上で戦っているんだ!って感覚にすらなって、夢中で応援したなと思います。

ちなみに、ゴール裏の最前列に行ってから、わりとどこの席でも大声で応援することに抵抗がなくなってきました。でも、大声で応援したい人にとっては、やっぱりゴール裏周辺の席が一番適していると感じる今日この頃です。


戦況に呼応して生き物のように躍動する応援

前半9分、アンデルソン・ロペス選手がヘディングで先制!

その瞬間、私も周りも、みんなが叫んだ。

わー!とか、おー!とか、やったー!とか、いつもならもう少しお淑やかに喜んだかもしれないけれど、この日ばかりはそんなことはできませんでした(笑)

ウォォォオオオオ"オ"オ"!!!
自分、そんな声出せたんだなっていう声が、気づいたら出ていました。

周りも同じような声をあげていて、もうもはや、誰が言っているのか、自分が言っているのかもわからないくらいでした。そのあとも、中心部の応援は、怒号にも近いくらいの声援で、みんながみんな、声が枯れるんじゃないかと思うくらい、「声を出す」というより「叫ぶ」に近い声出しを試合中ずっと続けました。

それからの戦況は、追いつかれ、追い越され……。悔しい場面を思い出すのはつらいので、詳しくは割愛しますが、いちばん印象に残ったことを少しだけ。

やっぱり、応援って生き物なんだと思いました。

回想になりますが、私が初めてサッカーの試合をスタジアムで観たのは、2023年3月18日のマリノスVS鹿島アントラーズ戦。
この日は雨の中での試合でしたが、ゴール裏の応援は凄まじく、雨で寒い中、上裸で応援する人が見えたくらいアツかったことを、昨日のことのように覚えています。
思えば、そこからゴール裏への畏怖とあこがれの思いは始まった気がしているし、その時からずっと「ゴール裏の応援って、何だか生き物みたいだな」と思っていました。

一人一人が、1つの大きな生き物の細胞の一つずつになったみたいに、大きなひとかたまりになった声が、戦況に呼応して躍動していく。
ゴールが入ったらよろこびの雄叫びをあげて、点を取られたら落胆の表情を浮かべ、点を取り返すためにさらに闘志を燃やす。
一人一人が同じ気持ちで、同じ声をあげているから、遠くから聞くと、まるで1つの大きな声に聞こえます。

その中心部にいるからこそ、その大きな生き物の感情の動きや熱が、より直に伝わってきたし、私自身もその大きな生き物の細胞の一つであることが実感できたような気がしました。

試合の終盤、マリノスらしいプレイができず、失点を重ねてしまったチームに対し、「戦え! 横浜」の声出しで応戦するゴール裏。

もちろん私も中心部にいたけれど、いたからこそ、こんなにも沢山の老若男女が、今この瞬間に同じ気持ちを体感して、その感情を声出しする声に乗せて発しているんだなということをひしひしと感じました。

戦え 横浜
奪え ウルトラ ゴール
ラーラララー
ひと暴れしようぜ

戦え 横浜!

『もっとやれるでしょ!』『ここで負けてたまるか』『悔しい』『がんばってほしい』『取り返せ』『もっと攻める姿勢をみせてほしい』

そういう、悔しさや希望や怒りや焦り、いろんな全員の思いが、「戦え! 横浜」の声出しに乗っているのがわかったし、特に歌詞の中にある、"戦え 横浜"の部分に、みんなの魂が込められていることを感じました。(自分もそうした)

試合に出ているのは選手であって、ファン・サポーターは応援しかできないけれど、それでもやっぱり、応援に来ているファン・サポーターだって、選手と一緒に戦っている。選手たちが、私たちの声を少しでも活力や前を向く力になると思ってくれているのなら、自分にできる精一杯の声出しをしない選択はない。生き物の中心部、細胞の一つになってみて、そのことをより強く実感しました。


それぞれの声が、はっきり聞こえる距離

試合終了の笛が鳴り、負けが決まった瞬間、マリノスにはほんとうに珍しく、大ブーイングの嵐でした。

プライドをかけて、絶対に負けられない試合だった横浜ダービー戦。

だから、わかる。試合の内容も思わしくなかった。ブーイングする気持ちもわかる、痛いほどわかる。
でも、私はあの場にいて、すごくつらかったです。

それなら来なきゃいいっていうのは、その通りだと思います。そういう意味で、あの場に立つ覚悟や想像力が、私には少し足りてなかったことを反省しました。

ブーイングにはいろんな意味があるということも知ったので、愛ゆえの行為だったのだとも思います。
だからこれは、ブーイングをやめてほしかったという要望ではなく、あくまで、初めてあの場を経験した私個人の感想としてのはなしです。

ものすごかった。
さっきまで、1つの大きな生き物だと思っていた、細胞の一つ一つが、急に分裂して一個体になって、罵声を発するというギャップ。

しかも、罵声は誰も統率しないから、逆に一人一人の声がよく通る。

試合後の挨拶にまわる選手に向けて、四方八方から飛んでくる罵声は、なぜだかすごく耳に残ります。ぐるっと観客席に挨拶して帰るあいだ、選手たちは私以上に沢山の罵声を浴びたのだろうと思います。

「なにが王者だ」「〇〇やめちまえ」「もう使うな」「なにやってんだよ」

遠くにいると、ブーイングって、「ブーーーーーーー!」って言ってるひとかたまりに聞こえるけど、近くにいると、こんなにはっきり一人一人の言葉が聞こえることに驚きました。

良し悪しを問う気はないのですが、人生で初めて、こんなにも沢山の罵声を一度に浴びる経験をしたので、罵声を浴びながら、ネットの炎上とか、誹謗中傷とかの渦中にいるとこういう感覚なのかなってぼんやり現実逃避したりしました。

負けることは、あんまりないほうがいいなと思っているけれど、今回、私はゴール裏のいろんな面をいっぺんに知ることができた気がします。
でももしまたいく機会があったら、今度はよろこびのゴール裏を経験したいなと思います。


「負け」は、「勝ち」のスパイスになる

8月26日の横浜FC戦のあとから、これまで比較的好調に勝ちを重ねていたマリノスは、なかなか勝てない試合が続きました。私としても、ああ苦しいなと思ったし、それ以上に選手たちはもっと苦しかったんじゃないかと思います。

でも、そんな中で迎えた9月10日。コンサドーレ札幌とのルヴァンカップ準決勝進出or敗退をかけた一戦。3-0で勝利し、準決勝進出を決めました。
リーグ戦・カップ戦含め、3試合連続負けからの、失点ゼロでの勝利。

その日はゴール裏ではなく、メイン1階にいましたが、負けて悔しい思いをしたあとの「勝ち」は、ただすんなり勝つよりも何倍も、何倍もうれしかった。

その後も、少し不安定な時期が続きましたが、先日、9月24日のアウェイ、鹿島アントラーズ戦。難しい局面もありつつ、うまく乗り越えて2-1で勝利。
上位争いにランクインしている鹿島アントラーズとの差を広げつつ、勝ち点3を積み上げることができました。

現地応援はできずでしたが、この試合も、負けられない大切な試合だっただけに、DAZN越しで叫びながら応援して、勝って、ひとりで泣きました。
最近、勝っても負けても涙腺がゆるゆるなのですが、泣くならやっぱり、うれしくて泣きたい!(笑)

負けること自体、悔しいから、できれば経験したくないことではあります。でも、「負け」からの「勝ち」の流れは、「勝ち」のよろこびが何倍にもなるということを学んだので、これからの私のサッカー観戦メンタルはもっと安定してくるはず!


そして、いよいよ今日。9月29日。

リーグ戦の頂上対決。横浜F・マリノスvsヴィッセル神戸の試合が、マリノスのホーム、日産スタジアムで開催されます。

9/29(金)0:00時点の順位

これは本物の負けられない戦い。負けたくない戦い。

この夏の「負け」や悔しい思いを糧に、鹿島戦での波を味方に、勝ち点3を掴みたい!!!!!!

ひーとりー ひとりのー 気持ちをー合わせてー
たーどり着こおーぜ 最高ーの場所へー
たたかおう!みんなでー 横浜F・マリノース
俺がやってやーる って気持ちが 大事さー

最高の場所へ(9月10日のコンサ戦ver。初めて現地で歌えて感動した)

今日は金曜日ですが、日産スタジアムでお会いしましょう!!

チケットはこちらから、まだ購入できますよ!

最前列ではないけれど、ゴール裏で、私も全力応援します!

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