松岡宗嗣

一般社団法人fair代表理事。LGBT関連の情報を発信しています。オープンリーゲイ。ラ…

松岡宗嗣

一般社団法人fair代表理事。LGBT関連の情報を発信しています。オープンリーゲイ。ライター/デザイナー。HuffPost、現代ビジネス、Forbes、東洋経済オンライン等に寄稿。

最近の記事

涙を誘う道具としての「悲劇のトランスジェンダー像」の枠を超えない。映画 #ミッドナイトスワン 感想

9月25日から公開されている映画『ミッドナイトスワン』、草彅剛さんがトランスジェンダー女性の役を演じていることで話題を呼んでいる。 映画を観て、私は本作が「マジョリティの涙を誘うために”かわいそうなトランスジェンダー像”が利用されてしまった映画」だと感じた。評価できる点もあるが、トランスジェンダーの表象をめぐる問題を多く含んでいると感じた点について書いていきたい。 (※この記事はネタバレを多く含んでいます。ご注意ください。) 直面する困難を描く映画『ミッドナイトスワン』

    • 集英社新書『LGBTとハラスメント』を出版します

      集英社新書から、共著『LGBTとハラスメント』を出版することになりました。 発売日は、ちょうど1ヶ月後の7月17日(金)です。 今月から施行された「パワハラ防止法」。SOGIハラやアウティングもパワーハラスメントに含まれることになり、全ての企業に防止対策を講じることが義務化されました。 これを受けて、LGBT法連合会事務局長の神谷悠一さんと共に、集英社より「LGBTとハラスメント」をテーマに新書を出させていただくことになりました。 全5章構成で、前半では「そもそもSO

      • もし自分のパートナーが殺されてしまったら

        今日、名古屋地裁で同性パートナーの法的保障をめぐるある事件の判決が下された。 それは、約20年も共に連れ添った同性のパートナーを殺されてしまった遺族が「犯罪被害者給付金」を申請したところ、同性カップルであることを理由に「不支給」とされてしまった事件についての判決だ。 原告の請求は棄却。「同性間の関係が事実婚に当たると認めることはできない」と、不支給は正当な判断とされてしまった。 判決を聞いて、ただただ怒りと落胆の気持ちを抱いた。 犯罪被害者給付金は、パートナーが殺され

        • 初めて「同性カップル」とカミングアウトして引っ越ししてみた

          引っ越しをしました。今回、不動産屋で初めて同性カップルであることを伝えた上で家を探しました。 「ふつう」に対応されることの嬉しさを感じつつ、「引っかかりポイント」もいくつかあったので、この経験を備忘録として残したいと思います。 カミングアウトできなかった2年前の引っ越しパートナーと一緒に住み始めたのは2年前。私の大学卒業をきっかけに「二人で住んだ方が家賃も半分になるし」ということで一緒に住むことにしました。 その時もカミングアウトすべきか悩んだのですが、不動産屋の受付で

        涙を誘う道具としての「悲劇のトランスジェンダー像」の枠を超えない。映画 #ミッドナイトスワン 感想

          「Aさんが亡くなったのは何でだろうと思った」一橋大学アウティング事件裁判の控訴審を傍聴

          一橋大学アウティング事件裁判の控訴審を傍聴しました。 今回は、亡くなってしまったゲイの大学院生Aさんを対応した、当時の相談員への証人尋問でした。(一審の判決についてはこちら:「日本の司法はそんなものなのか」一橋大アウティング事件、踏み込まぬ司法判断に遺族ら落胆」) 証人尋問は、被告代理人の質問にそって証人(相談員の方)が当時の様子を話し、続いて原告代理人が質問。一審の情報なども加味して質問をしているので、時系列などは行っては来たりと、残念ながら傍聴席からは原告代理人の質問

          「Aさんが亡くなったのは何でだろうと思った」一橋大学アウティング事件裁判の控訴審を傍聴

          松岡宗嗣のデザイン

          こんにちは、松岡宗嗣です。 普段は一般社団法人fairという団体で、政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報発信をしています。Yahoo!ニュースやHuffPostや、現代ビジネスなどにも寄稿しています。 そのかたわらデザインの仕事もしています。このnoteでは、これまで制作したデザインの一部を載せたいと思います。 お仕事のご依頼は soshi.matsuoka◎gmail.com (◎を@に)までご連絡ください。 --------------------

          松岡宗嗣のデザイン

          中央大「LGBTと法律:性別の変更について考える」

          中央大・LLAN連続公開講座第3回「LGBTと法律 - 性別の変更について考える」に参加。簡単なメモを... まず、谷口先生より性別変更に関する主要な出来事の整理。 1970年:ブルーボーイ事件結審 1996年:埼玉医科大学倫理委員会が性転換治療を医療行為として認める答申 1997年:日本精神神経学会「性同一性障害の診断と治療のガイドライン」公表 1998年:埼玉医科大学において公式に性別再指定手術(SRS)が開始 2000年:自由民主党内に性同一性障害に関する勉強会を設

          中央大「LGBTと法律:性別の変更について考える」

          「成りたい人」になるための一歩は、いつだって踏み出せる。2017年度LGBT成人式

          昨日は2017年度LGBT成人式でした。約200人もの方が参加していただきました、ご参加いただき本当にありがとうございます。 初めてLGBT成人式に参加したのは2014年度のとき。スタッフとして会を作り上げながら、新成人の辞を話しました。 そこから4年、今回は司会として、成りたい人になるための一歩を踏み出す人たちを一緒に祝うことができました。 3人の新成人の辞はどれも心に沁みました。 司会台から横で見ていて、原稿を持つ手が震えていることや、話しながら今日までのことを振り

          「成りたい人」になるための一歩は、いつだって踏み出せる。2017年度LGBT成人式

          書くことをはじめた2017年

          こんにちは、松岡宗嗣です。noteもはじめてみました。 今年も1年を振り返ってみようと思います。 2017年は書くことをはじめた年でした。 2016年末からブログをはじめて、ハフポストにも寄稿させていただけることになり、これまでの講演だったり、直接会って伝えるということに加えて、書くことによって広く発信するということに挑戦しました。 例えば、 ▼国連「同性愛者の死刑を非難する決議」に対し、日本はまさかの反対http://soshi-matsuoka.hatenablog

          書くことをはじめた2017年