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フィジー旅⑦38歳、初めて一人海外へ

いよいよフィジー旅最終日。飛行機までの時間、どこかに足を運ぶほどの余裕はないが、なんとなく名残惜しくて、ホテルのプールわきで椅子に腰かけ、ただぼーっとした。くっきりとサンダルの形に日焼けした足。昨日街に出て購入したワンピース。プールではしゃぎ泳ぐ子供たちの笑い声。「最後の最後に」と注文したFiji Gold(ビール)瓶のひんやり感ーー。

ああ、「何があった」わけではないけれど、総じてただただ楽しかったな。心からリフレッシュできたな。そもそもここに来るきっかけをくれたアニさんにあらためて感謝だな。いろんな感情をじんわりと味わいながら、後ろ髪ひかれる思いでホテルを後にした。

「必ず、また来るからね」と、小さく、声に出した。


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夏の肌が消える前に…と思いながら、うまくまとめられず気づけば帰国から1か月半近く経ってしまった。ただただ長い感想文みたいになり恐縮だが、もしも読んでくれて、「フィジー行ってみたいな」「一人旅も楽しそうだな」って思ってもらえたらうれしい。

そもそも、フィジー行きを決めたのは、ハードワークで心身ともにいっぱいいっぱいになり、いわゆる現実逃避ゆえの逃亡願望から。「どこか遠くへ行きたいな」「どうせならまだ行ったことのないところがいいな」「何もしない、ということをしたいな」…そんなこんなで、漠然と「南の島」を候補に考えていたそのタイミングで舞い込んだ、ワタナベアニさんのフィジー旅費プレゼント企画。ダメ元で前のめり気味に挙手し、ありがたいことに受け入れてくださり、決心がついた。

目的は観光ではない。マリンスポーツ、アクティビティでもない。「ただ、何もしない。ただ、のんびり。ゆっくり。まったり」。日本にいようとも心持ち一つでそんな瞬間を作り出すことはできるのだろうが、いっぱいいっぱいになってしまっていた私には無理だった。わざわざ遠出して、そんな時間をあえて作ろうとした。

「海を見ながら椅子に横たわり、サングラスごしにゆっくり本を読む私」みたいなイメージ先行で、谷川俊太郎の詩集はじめ5冊くらい積読本を運んだ。でもふたを開けてみたら、読んだ本は行き帰りの飛行機の中で1冊だけ。現地では、やっぱりいろいろ動いてしまった。人に会ってしまった。交流してしまった。めいっぱい、楽しんでしまった。

当初の予定とはだいぶ違った過ごし方だったが、当初の予想をはるかに超えて満喫できた。心身のリフレッシュに、必ずしものんびりまったりする必要はない。少なくとも私は、いろんな体験や交流を通してこそ生き返ることができた。

あらためて、こんな素敵な体験をプレゼントしてくれたアニさんに感謝。一足早くフィジー入りし、現地のあれこれを教えてくれた友人、留学時代の情報を共有してくれた友人、現地で離島へのナビをしてくれた友人にも感謝。おかげですっかりと、心の色が入れ替わった。ありがとう。

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