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フィジー旅④38歳、初めて一人海外へ

2日目は念願のビーチコンバー島へ。一足先にフィジーを訪れていた友人も参加し、とてもよかったと聞いていたので迷うことなく行くことを決めた場所。青い空、白い雲というTHE南の島な雰囲気を味わいたくて、買ったばかりのビーチサンダルと数年ぶりの水着、サングラスを着用しいざ船着き場へGO!

この日ももちろん一人参加。「リゾートビーチで一人きりなんて」と若干いやかなりのさみしさが胸をよぎったが、そんな少しの戸惑いでせっかくの素敵な体験をあきらめるなんてやだ!と胸を張って船に乗り込んだ。

前出の友人が一人で参加した時は、たまたま日本人女子の留学生グループと同席になり、一緒にシュノーケリングしたりビーチバレーしたりして楽しんでいた。私も誰か歳が近い女子とかいたらいいなぁなんて淡い期待を抱きつつ周りを見渡すも…

いない…

どうやら、この日はたまたま日本人自体皆無だったようだ。

어떡해…

まあ、いい。
気を取り直して、ビーチに面した大きめの石の上に座り、「ポーズ」のためだけに持ってきた「自選谷川俊太郎詩集」を開いて読みふけった。ふりをした。

だめだ。5分も立たずに気もそぞろになってくる。海が、波が、私を呼んでいる!(注:マリンスポーツ経験皆無)

たまたま近くにいた同世代っぽい中国人女性に声をかけてみた。聞けば現地在住の友人に会うためフィジーには毎年訪れていながら、ビーチコンバーは初上陸だとか。「私も初めてなんです」なんて話をしながら、自然な流れで海へ入り、一緒に波と戯れた。

内陸生まれ、内陸育ちの私にとって、海は年1回、夏休みに青森のおばあちゃんの家に行ったときに楽しむ程度の「非日常」だ。まして社会人になってからというもの、海に入ることはほとんどなかった。ところがどうだろう。文字通りキラキラとした海の輝きに導かれるように、まるで前世海の生物だったかのように(言い過ぎ)ずっとずーっと飽きずに波に揺られて海を楽しんだ。

昼食休憩のためいったん沖に上がったものの、またも波に誘われるままに。結局何時間海に浸かっていたのだろう(お風呂みたいに言うな)。手の指は見事にふやけた。

それにしてもこの日のために購入した防水スマホケースは大いに役立った。瞬間、瞬間で微妙に色や形を変える波を夢中になって撮影し、いい思い出になった。

海を存分に満喫し、「ポーズ」のためだけに持参した詩集計3冊はただ運んだだけになったがそれもよし。名残惜しいほどの満喫感を胸に、ビーチを後にした。

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ホテルに戻って、さあ全身の砂を流そうとすぐさまシャワー。
……耐えられないほどに、体が痛い。
そうなのだ。日頃海と程遠い生活をしすぎて、海での紫外線反射率の高さをすっかりと忘れていた。
水着の跡くっきりに真っ赤に焼けた肌を見ながら、祭りの後のさみしさを2度かみしめた。

続く

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