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ランニングにハマった話

 学生時代に陸上をやっていたわけではない。むしろ、学生時代は長距離は苦手で短距離のほうが得意だった。そんな自分がランニングにハマっている、という話。

私のバックグラウンド

 学生時代は運動部に所属していたが、持久力よりは瞬発系が得意だった。長距離走は大の苦手。社会人になってからは、ジムに通うなどの定期的な運動はしていなかった。ただ、体を動かすことは好きだったので、休日に自転車(ロードレーサー)を乗り回したりしていた。
 30代で山登りに出会い、それ以来日帰り登山やテント泊縦走などもするようになった。誰と競争するわけでもなく、のんびりと自然の中を歩き、新しい景色に出会い、心地よい疲労と達成感を得られる、それが性に合っていた。

今年テント泊で縦走した鳳凰三山

ランニングはつまらなそうというイメージ

 登山をしていたので、もちろんトレラン(トレイルランニング)は知っていた。トレランとは山などの不整地(トレイル)を走る競技だ。自然の中を走る競技と思ってもらえば大体あっている。ただ、自分は持久力が無い方だし、のんびりと景色や植物を見ながら歩くスタイルだったため、やろうとは思わなかった。

 やろうとは思わなかったが、興味はあった。YouTubeにアップされているトレラン動画やアドベンチャーレースの動画を見たりはしていた。また、今年(2022年)の夏に開催されたTJAR(トランスジャパンアルプスレース)などは、山が舞台ということもありリアルタイムで選手たちのGPSを追ったりしていた。

 自然の中を走るトレランならまだしも、街の中を走るランニングには興味がなかった。マラソンや駅伝の放送は見ることはあっても、しんどそうくらいに思っていた。

きっかけは40kmウォーキング

 今年の秋、大阪に出張に行った際に時間があったので酷道で有名な暗峠へ行ってみようと思った。ただ、登山をしている身としては暗峠だけでは物足りない。もうちょっと歩けるルートを探していた際に暗越奈良街道というものを知った。その昔、難波と平城京、今で言う大阪と奈良を結んだ街道で距離にして約36km。歴史にも興味があった自分は、この道を行けるところまで歩いてみよう、と挑戦してみた。

 結果として完歩はできたが、山とは違い舗装路の上を運動靴で歩くということで足の裏にはマメができ左足の爪は内出血していた。脚はガクガク。舗装路からのダメージは予想以上に大きかった。普段の山行ではいかに登山靴で守られているかも実感した。

 観光など寄り道もしたため、その日の歩行距離は40kmほど。「マラソン選手はこの距離を3時間かからず走り抜けるのか」と驚いた。そして、いつもの山登りよりも脚へのダメージが大きかったことにも驚いた。これは山登りのための脚の鍛錬になるのではと思った。

暗峠。奈良への道は遠かった

山登りには無い「気楽さ」

 幸い家から少し離れたところにある公園にゴムチップ(のちにタータンと呼ばれていることを知る)が敷かれたランニングコースがあるのは知っていた。試しにそこに行って走ってみた。服装は家にあったジャージに速乾性のシャツ。取り敢えず走ってみたが、思った以上に走れない体になっていた。スピードを出すと動きがぎこちなくなり、すぐに息が上がる。
 ただ、舗装路よりも脚に優しくて痛くならず、しかも少し弾むような感触があり楽しい。タイムなどは気にせず、のんびり体を動かすのは山登りと同じで楽しめた。公道と違い公園だと車に気をつける必要が無いのも良かった。

 なにより良いのは大きな準備がいらないこと。山登りに行くとなると、地図を調べ、登山口までのアクセスを調べ、行程や時間(コースタイム)を調べ、持っていく食べ物を買い、登山届を出し、等々いろいろと準備しないといけない。しかし、近所にランニングに行くぶんには特に準備はいらない。運動できる服装で出かけて、ちょっと走って帰ってくれば良い。公園に自販機もあるしトイレもある。少し歩けばコンビニもある。遭難の危険もない。

 もちろん、山登りにはその厳しさを乗り越える達成感がある。ただ、仕事で疲れているときなど、正直準備が面倒くさいことがあるのも事実。それがない。気楽さ、これは大きなアドバンテージだと感じた。

山への鍛錬のつもりが……

 書いたように、当初は山登りのために脚を鍛えるというのがキッカケだった。もちろん、脚を鍛える、心肺機能を向上させるのは目的の一つだ。ただ、今では山に行くよりもちょっと知らない道を走るほうが楽しい状態。そして、最初は2km走るのも嫌だった自分が、10kmくらいなら走れるようになっているのも嬉しい。

 最近はトレランにも興味が出てきた。まだ技術も体力もないので高山には行けないが、ちょっとした裏山を走るのはとても楽しい。やはり自然の中は心地よい。今のライフステージ(仕事や生活のバランス)では、ガッツリ登山よりも気楽な裏山トレランくらいが合っているのかもしれない。

自然の中を走るのは気持ちが良い

と言う感じで

 ランニングというと同じ景色の場所をストイックに走り込む、というようなイメージがあったが、気楽にできる運動という面から見ると、思った以上に楽しかった、という話でした。気楽にできるし、別に競争する必要はなく、運動や気分転換には最適かも。いうなれば、大型バイクは楽しいけど普段遣いには原付きのほうが気楽でいい、みたいな感じ(全然うまくない例え)

 ただ、舗装路を走るのは意外と衝撃が大きいので、ケガには気をつけて続けてみたいと思っています。

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