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雪の恐ろしさ

今回から始まる滄漣舎の新たな試み、noteでの俳句マガジン。
俳句に読まれた自然の脅威を知ることで、 自然とうまく付き合っていく形での「防災」について考えるきっかけになればと思っています。

吹雪く闇除雪夫の灯の泳ぐ見ゆ     石橋辰之助 (1909年~1948年)
吹雪【初景色】- 冬

ふぶくやみ じょせつふのひの およぐみゆ

夜闇の黒と吹雪の白。そのモノトーンの景色の中に雪掻きをする男性の持つ灯りがゆらゆらと見えている。幻想的な光景ではありますが、除雪をしている男性にとっては命懸けの作業です。

40歳で夭折した石橋辰之助が生きたこの時代、大雪が降っても除雪機などにも頼ることはできず、除雪を行うのは人でした。もちろん現代のような使い捨てカイロ、ダウンコート、ヒートテックなどもなく、吹雪の中での作業は過酷だったことでしょう。
吹雪の夜の別世界のような美しさ、そしてその美しさの中にある現実、雪深い土地の厳しさをひしひしと感じる句です。

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2021年は年明け早々大寒波に見舞われ、一部の地域では大雪による車の立ち往生や、雪掻き作業中の悲しい事故が発生しています。
大雪の予報が出ている場合は外出しないのが賢明ではありますが、そうは言っていられない事情がある方も数多くいらっしゃることでしょう。
せめて車内に防寒着、防寒具、非常食、携帯トイレなどを備えておくことをおすすめします。
そして機械や道具に頼れるようになった現代も、昔と変わらず除雪作業には命の危険が伴います。TVニュースなどでも注意喚起が行われていますが、作業は一人では決して行わず、無理はせず、安全第一で行っていただければと祈ってやみません。



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