第246話:いただきもの
我が家の庭の金木犀が今年も花を付け、いい匂いを漂わせています。
わが家と言っても、借家です。
築60年位かなあ、オンボロちゃんですが、思い返せばもう30年近くここに住んでいます。
カミさんが、樋から雨がびちゃびちゃ落ちてくるのと訴えるので、昇ってみて見ると、樋の水受けの部分に土が溜まり、そこから木が生え出していました。
そうでなくても、いろんなものがよそから舞い込みます。
例えば、ミョウガが群生状態。今は秋なのでちょっと勢いがありませんが。
家の南前は大家さんの土地。
元は芝畑で、今はちょっとブルーベリーが植えられています。
その向こうには栗林。時々、おこぼれを頂戴します。
家の庭にもそこからもらった実を撒いたら生えてきたというブルーベリー。
夏の間、実を採ってヨーグルトに入れ、楽しみました。
南にはちょっと芝生。これも前の芝畑に落ちていた芝を二枚ほど置いておいたら、数年でこんなに広がりました。
左の椿は多分、鳥の糞からでしょう。小さいからと思って放置していたら、あっという間にこんなに大きくなってしまいました。
家の東は小さな川。その向こうは、田んぼと畑。
北には富士山。
普段は気にも留めませんが、香り、風景、実り、身近にたくさん豊かさがあって、いただきもので生きているなあと思ってみたりします。
仮の世の借りの住まひに金木犀
いただいていただいて秋を暮らしをり
ついでながら、前の記事でいただいた「初瑠」さんという方のコメントをそのまま、これも「いただき」、もう一句作ってみました。
群れすすき人間をやめたさびしんぼ
■土竜のひとりごと:第246話
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