第73話:精神安定剤
30代の前半のことだった。学校祭が終わった翌日の代休に久しぶりに家族で外出し子供と小高い丘に上ろうとしたのだが、暫く登った所でふと胸が息苦しくなってその場に座り込んでしまった。
呼吸ができないのではないが息苦しくて動けない。そんなことは初めての経験で、何だろうと思いつつも、一晩ゆっくり休んで翌日は出勤して授業もしたのだが、その症状がそれ以来頻繁に起こり、授業中息苦しくなって視界が真っ白になり保健室に担ぎ込まれたり、何とか学校まで来てもどうしようもなくふらついてカミさんに迎え