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原因結果と支え合いの中で

人の悪口は絶対口にするな。
人にしてあげたことはすぐ忘れろ。
人にしてもらったことは絶対忘れるな。

石原 裕次郎

昭和の大スター、石原裕次郎さんの名言だ。

とても大切なことを伝えていると思う。

人から受けた恩は忘れがちだし、自分がしてあげたことはいつまでも覚えていがちだ。

そうなると、「自分は○○してあげたのに、あの人は何も返してくれない」と、「自分ばかりが損をしている」と不平不満が出たりする。
だけど、本当は自分も他の人から様々な恩を受けていることを忘れているのだ。

実際、人と人は支え合いながら生きている。
自分が気づかないところで、誰かから何かを与えられていることが多い。


たとえば、私たちは毎日電車に乗って通勤することができるが、それは毎日毎日、電車を安全に運行してくれている人たちがいるお陰だ。その人たちの仕事のお陰で私たちは、仕事に行くことができている。

自分が誰かのために仕事をしたとして、相手から直接の見返りがなかったとしても、それは原因結果の法則により必ず別の形で自分に返ってくる。

原因結果の法則とは言い換えると、蒔いた種は刈り取ると言う。

良い種を蒔けば、良い実を得ることができる。
その反対の種を蒔けば、相応の結果を受け取ることになる。

だから、人に何かをしてあげたからといって、その人から見返りを求める必要はどこにもない。
それは、原因結果の法則によって、「いらない」と言ってもいずれ自分に返って来ることになるからだ。

しかも、種が実になるのだから、蒔いた原因よりも結果の方が大きくなって返って来る。
善因善果、悪因悪果と言うけども、出したものと同じものが返って来るのではなく、結果の方が大きなものになる。


だから、「自分以外の誰かのために」という利他の行動は決して損な生き方ではない。
利他とは、むしろ自分が最も幸せに生きる道でもあるのだ。

ただし、蒔いた種が実をつけるまでには時間がかかる。

原因結果の法則により、自分のしたことの結果は「必ず」自分に返ってくるが、その結果がいつ返ってくるかは誰にも分からない。

自分が他人のためにしてあげた善行をいつまでも覚えていても、その結果が、自分が生きているうちに実を結ぶとは限らない。あの世に帰ってから、もしくは来世で実を結ぶかもしれない。

だから、「人にしてあげた」ことはさっさと忘れてしまって、また新しい良い種を蒔けばいい。
そして「人にしてもらった」ことに感謝しながら、原因結果の連鎖の中で、お互いに支え合って生きていく。

石原裕次郎さんの名言はそういうことを私たちに教えてくれている。


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