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利己から利他へ

厳しい冬の前には実りの秋がある。
動物たちは秋のうちに食料を蓄えて冬に備える。
古い時代の日本人もそうして過ごしていたことだろう。

時代は今、爛熟期を迎えている。
日本の歴史だけを見ても、ここ100年ちょっとの間で、劇的に暮らしやすくなっている。
その証拠に日本の人口は明治維新のころに3000万人程度だったのが、今や1億2000万人になっている。
少子化していると言っても、130年前と比べたら人口は4倍。
世界の人口も1800年ごろに9億人台だったのが、現在は80億人である。

科学が発展し、より安定して暮らしやすい環境を手に入れることができた人類は、今まさに実りの秋の時代を迎えている。

しかし、私たちの社会はまだ持続可能な社会にはほど遠い。
今のまま何も変わらなければどうなるかは想像に難くないだろう。今の時点でも既に様々な問題が噴出してきている。

今のうちに変えなければ、何の用意もないままに冬を迎えることになってしまう。

その主な原因はどこにあるのか?
それは、科学のおかげで物質面は急激に成長してきたが、心の部分がまだ追いついていないということ。

変えるべきは、私たちの認識。
それは「自分さえよければ他はどうなってもいい」という利己の思い。

これが社会問題、環境問題、戦争など、さまざまな負のスパイラルの元凶となっている。
これを改めない限り、崖に向かって突っ走っていく車の軌道は変わらない。

それとは反対の「利他」の方向に舵を切ることにこそ、私たちの活路はある。

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