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くたかコラム:宮城ニワタリ神社巡り②

くたかコラム
 上海アリス幻樂団様が制作した弾幕STG『東方鬼形獣』に登場するニワタリ神、庭渡久侘歌について、あれこれ調べたり想像したりしたことを書き留めておきます。Twitterで呟いたことをまとめることも。

宮城ニワタリ神社巡り
 久侘歌についてあれこれ想像しているうちに「やっぱり現地に行って実際にニワタリ神社の雰囲気を体験することも大切なのでは?」と思い立ち、実際に行ってみました。
 巡ったのは宮城県内のニワタリ神社16社(+福島県内の2社)です。全6回を通して毎回3社ずつ、現地で気づいたことや想像したことなどを報告予定です。

 今回は第二回目でございます!

④見渡神社 大崎市古川

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 江合川という一級河川沿いにあった神社。川のすぐそばという、とてもニワタリ神社らしい立地でした。
 この江合川についてネットで調べてみたところ、源流付近には鬼首温泉なるものがあるようです。温泉の鬼首という名称の由来には、鬼渡の元ネタにあたる坂上田村麻呂が関係しているそうな。またこの神社の名前でもある『見渡』の文字は、別の見渡神社で「坂上田村麻呂が辺りを見渡したから」と紹介されていました。あちこちで出てくる坂上田村麻呂の名前。
 いろいろなところで不思議なつながりがありますね。

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 この神社、鳥居のすぐ横に『金山彦神社』の鳥居があるっていう不思議な構造をしていました。一応こちらの鳥居の下も参道っぽくなっていたのですが、その先には社は無し。どこかから鳥居だけ持ってきたんですかね?
 金山彦は鉱山、転じて鍛冶や鉱業の神様とされているようです。どうにか久侘歌と結び付けられや(こじつけられや)しないかな、とちょっとした妄想が膨らみました。詳しくはコチラの記事にまとめてみました。

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 神社側から鳥居の外を見ると、江合川の堤防がすぐに目の前に位置しています。川と住宅地との境目に位置するような形。やっぱり、人の居住地とそれ以外の場所との境目にニワタリ神社は多い印象でした。

⑤三輪足神社 美里町成田

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 続いては田んぼの中に背の高い木に囲まれて鎮座していた三輪足神社です。規模はそこまで大きくないのですが、ちょうど自分が訪れたときに地域の方が境内の修繕をされていて、いまも地域からの信仰が続いている様子に出会えました。
 その方から教えてもらったのですが、いまある田んぼも、もともとは桑畑だったようです。当然ながら、神社が作られた時代と今の時代の景色は大きく異なっていたんでしょね。

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 今回巡った神社は、朱色で塗られていることが多かったのですが、ここは木そのままの色合いで素朴な味わいでした。
 三輪足という字を使っている神社は、確認した限り宮城県内ではここだけのようです。

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 境内にあった手水鉢には狐の模様が彫られていました。境内の修繕をされていた地域の方に偶然教えていただいたのですが、どうも地域では稲荷系の神社として認識されているようです。また、「地名が成田だから成田山と関係があるんじゃないかということで国の史跡調査があった」というエピソードも聞きました。
 ニワタリなのか、稲荷なのか、成田山なのか、いろいろな信仰が混ざっているのも日本の神社らしいのかもしれないです。

⑥見渡神社 美里町福ヶ袋

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 朱色の立派な鳥居があった神社でした。立地的には、やはり入り組んだ住宅地の狭い路地の途中にありました。神社の向こう側には農耕地が広がっています。ここもやはり、居住地と農耕地の境目、という位置のように思えます。

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 地域の人の手がよく入っている神社という印象でした。これまでのニワタリ神社ではなかなかお目にかかれなかった由来が書かれていました。先述した、坂上田村麻呂が見渡したから、という内容ですね。
 また、社殿と社務所を建立した篤志家の方の名前が砂金さんというようです。宮城県内で砂金といえば、砂金の日本初の産出地とされる涌谷・黄金山神社があるので、その関係なんでしょうかね?

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 社殿も綺麗で立派なものでした。この写真を撮っている時には気が付かなかったのですが、向かって右手側にアルミサッシの引き戸があるんですよね。他のいくつかのニワタリ神社でも、この右手側の引き戸は設けられていました。そういう神社の建築様式なのか、ニワタリ神社特有のものなのか、ちょっと気になるところでした。

 という訳で第二回目の報告はここまでになります。
 ちょっとバタバタしていて、気づけば第一回目の報告から二ヵ月近く経っていたんですね……。最後まで記事は書くつもりなので、ペースを上げていきたい所存。
 一回目と二回目で報告した神社はすべて一日目で巡ったところでした。実は最後に涌谷の黄金山神社も訪れたのですが、すっかり日没後だったので真っ暗な中神社をおっかなびっくりしながら探索することになりました。写真もちゃんと撮れたものは残っておらず、境内もあまり見て回れませんでした。いつか再訪問したいですね……。暗い神社はホラースポット。
 二日目以降の神社も、また第三回目以降でご報告できれば。今度こそ近々書き上げたい。

 なお、ここに挙げた情報は、あくまでも外の世界ではこんな記録が流れているよー、程度のものです。真実が何であるかは知る由もありません。
 あなたが幻を視る一助になれば幸いです。素敵な幻想郷ライフを。

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