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まじかる☆こみっくルナ こみかる!

わたし瑠奈!一頭身でまんじゅうみたいなみゃここといつも一緒の一見普通の中学生、でもピ、ピ、ピと胸のコミカルペンが鳴れば

「あ、三丁目にリアルティがいるみゅう!」

「マジカルコミカルパワー!

コミックゾーン!」

コミカルペンを振れば、あたりを光が包んでベレー帽を被ったプロの漫画家こみっくルナに変身するの!

(OP歌)

まじかる☆こみっくルナ こみかる!

襲うリアルティ 圧倒的コミカル不足

 笑顔消えた そんなとき

マジカルコミカルパワー!

コミックゾーン!!

漫画を書くのよルナ!スクリューする原稿

マジカルコミカルパワー!

こみかるスクリュー!

今日も コミカルに 明日も コミカルに

 まじかる☆コミカル ルナ ルナ!

(OP終わり)

ある日、わたしの所属する漫画クラブでSNSがはやった。わたしも早速アカウントを作って漫クラのみんなと相互フォロー。

最初はお互いに漫画をあげて

「ゆりちゃんの猫漫画かわいい!」

「みなとのホラー漫画もゾンビよく書けているよ」

お互いに読み合うだけでよかったの。なのに。

「私ごはん派」

「え~、俺パン派だなぁ」

ちょっとしたきっかけだったの。占いサイトが『朝はパン?ご飯?』って質問をして、仲間内で答えていた。それがね

「海斗がパン派だからな~やっぱパン派は割りが悪いか~」

「そうそう、海斗どうしてパン派なんだろ。やっぱり日本人ならご飯に納豆でしょ?」

パン派は日本人じゃない!なんて書いていて、同じクラスのジュニアアイドル海斗くん、お仕事忙しくて学校来られないこともあるんだけど

「だから顔だけいいやつなんか嫌いなんだよ、先生にひいきされているし」

「ねぇ、あなたも朝ご飯にしない?」

「母ちゃんに言ってみる!」

どういうわけかリアルでも『海斗くんがきらい』な人が『海斗くんがパン派』だからパン派を独りにしようっていういじわるをはじめたの。

 リーダーのゆりちゃん、さいきん黒いもやが身体の周りにある。あれはリアルティになる予兆なの。そんなコミカルが足りないことわたしがゆるさないんだから!

「そもそも海斗なんて名前もおかしいよね」

「それ。全開かっての」

あの笑い、コミカルじゃない、リアルティがよくする笑い方だ。

「瑠奈もご飯派だよね?」

「え?わたしはシリアルが多いかな」

「シリアル?アメリカかよw」

「だからお前の漫画はつまらないんだよ」

「いえる、絶対プロにはなれないw」 

みんな大声で笑っている、うう、とりあえず、海斗君にも聞こうっと、海斗くん家へGO!

「こんにちは、海斗くんいますか?」

「あ~学校のかい、ちょっと待ってくれよ」

海斗くんの家はコンビニなんだ、大変だなぁ。

「あ、瑠奈くん、なんの用事?」

「たいしたことじゃないの、パンかご飯かって」

海斗さん家のおばさんは忙しくお店にパンを並べている

「これ見てわかった」

海斗くんは笑った、くらくらする笑顔

「そうなんだ。いつもお店の残り物で」

「よかったら食べてきな」

「いいんですか?」

メロンパンをごちそうになったよ、美味しかったなぁ。

 次の日。

「おはよう、アメリカ」

アメリカ???

「お前だよアメリカ。ったくだからあんなくだらない漫画書いているんだな」

「そうそう、なにがまん丸みゃここだよ。マジカルコミカルルナ?だせぇ願望語ってんじゃねぇぞ」

あれは本当に……秘密だった。

「やっぱご飯派の漫画こそ最高」

「うちら最強」

ピ、ピ、ピマジカルペンが反応している!リアリティが

「ゆりちゃん!」

「もっともっとリアルに!」

ゆりこちゃんがリアリティになっちゃった!「マジカルコミカルパワー!

コミックゾーン!」

わたしはトイレで光に包まれる。ベレー帽にかわいいミニワンピ。

「ゆりこちゃん!今助けてあげる!」

リアリティと化したゆりこちゃんの前にわたしは立った。みんなは教室に現れた怪物に怯えて逃げている、今のうちに。

「ご飯派こそ日本人……日本を守る……そうだルナあんなくだらない漫画も反日本的だ……日本人の日本人による日本人のための!」

「あれはジョークの占いサイトなの!目を覚まして!」

わたしは四コマを書いてリアリティに読ませる、サラリーマンのお父さんが朝ご飯を食べないから子供が鞄にアンパンを入れてくれるっていうほっこり漫画。

「こんなもん!おにぎりをなぜ握らない!」

「あ!」

リアリティは四コマ原稿を破って捨てた。漫画家の命にひどいことを

「これならどう?マジカルコミカルパワー!こみかるスクリュー!」

わたしは政治家がご飯を食べていないってパンを食べていた話を書いたコミカルな漫画をぶつけた。

「ワハハ、ハハ!」

笑顔と共にリアリティは消えた、ゆりちゃんは眠っていた。

「海斗くん家コンビニだったんだ」

「それじゃパンもあるよね、なんで言ってくれなかったの?」

「うん、ごめんね」

パン派とご飯派の喧嘩も終わり、みんななかよし、よかったよかった。

「そういえば瑠奈ってシリアル派だったよね、どうして?ご飯と納豆もおいしいよ?」

ゆりちゃんが聞いてきた

「納豆は……」

「瑠奈くん?好き嫌いは駄目なんだよ」

あ、やば

「納豆苦手~!!」

みんな笑った、今日もコミカルに!


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