見出し画像

突然、話しかけてくるひと。でも、会話したいってわけじゃないみたい。

「今夜は、中秋の名月だよ。なのに、関東は曇りでみられないらしい・・」と、突然通りすがりのおじいさんが、寂しそうに話しかけてきた。そういえば、最近、このくらいの高齢の人によく話しかけられるなぁ。ちょっとびっくりしながら「そうなんですか・・」と返事をし、「残念ですね」と続けたときには、もうそのおじいさんは、私の前から去っていった。

でも、予報は嬉しいことにはずれてくれて、今夜の月は静かにやさしい光をはなっている。おじさん、良かったね。お月見してるかな?

そういえば、まだ長男が赤ちゃんだったころ。
それはそれは、見知らぬ人達から、毎日驚くほど声をかけられたことを思い出した。みな50~60代程の女性ばかり。きっと、初孫が生まれて、かわいくて仕方ないんだけど、毎日あえないし。会えない時も、同じような赤ちゃんをみると、ダイソンなみの吸引力で引き寄せられてしまうんだろうなぁと勝手に分析していた。
「あら!何か月?」から始まり、「チュッチュッ」と口をすぼめて舌を鳴らして、まるでネコか小鳥を呼ぶみたいに、長男をかまい、おそらく孫の話であろう「うちのところはね・・」と聞いてもいないのに、月齢と性別を話し、最後はお決まりの「今が一番いいときよ~」と言って満足気に去っていく。

それでも、まだ1歳にもならないダイソンの彼は、次々に吸い寄せられるおば様たちには、見向きもせず、「見て~、かわい~」と高い声の女子高生には、極上のスマイルと喜びの足バタバタで全身で喜びを示すのが、あからさますぎて、抱っこしている母親としては、恥ずかしいやら可笑しいやら。

だけど、最近、あかちゃんを見かけると、つい話しかけそうになる自分を止めるのが大変になっている。っていうか、もう何度も話しかけちゃっている。で、赤ちゃんからは、しっかり「おば様認定」をもらっている。
でもまぁ、いいか。私も、かまってもらうのは、ちっとも嫌じゃなかったし。

ソーシャルディスタンスじゃ、やっぱりつまんないって思うのよ~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?