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FISSに考える - ドローン物流時代の「空の道」のあり方

FISS(飛行情報共有システム)への登録義務化」により、マニュアル操縦のドローンへの規制が厳しくなる一方、先月から急に騒がれるようになってきたのがドローン物流の配送実装です。

楽天が西友と組んで神奈川で、ANAがLINEと組んで福岡で、それぞれ配送ビジネス(または実証)をスタートしました。それぞれの内容を見てみましょう。

楽天の事例

このサービスは、横須賀市の猿島で提供。猿島の対岸に位置する西友 リヴィンよこすか店が配達拠点となる。ユーザーはスマートフォンアプリを使用して、バーベキュー用の食材や飲料、救急用品など約400品目の中から注文できる。決済は楽天ペイを使用。商品代金に加え、配送料500円が加算される。(中略・・・)配送サービスは、7月から9月の期間中の木・金・土曜日に提供。1日あたりの飛行回数は最大8回となる。また、雨天時や最大風速10メートル毎秒を観測した際には、サービス提供を中止する。(上記リンク先より引用)

もちろんこれは目視外飛行(補助者なし)に該当するため、FISSの登録要件が当てはまります。そこで試しにFISSで抽出してみましたが、発見できませんでした(右下は別猿島ではない)。これは考えてみれば当然。発注が来ないと飛ばす行為は発生しません

ルートだけであれば、毎回変わらないので登録は可能ですが。。。それから、目視外飛行、夜間かつDIDである場合は「日時の特定が必須」であるため、FISS登録がより厳しくなります。夜間の自動配送は需要がありそうですが、まだリスクが高いという判断でしょう。


ANAの事例

続いてANAを見てみましょう。これは記事にもあるように、まだ事業化フェーズではないようです。つまり実証実験なので航空法の範疇を超えた、特区的な枠組みで動いている可能性があります。

ANAホールディングス(HD)は22日、福岡市でドローンを使って海産物を搬送する実験を実施すると発表した。LINE子会社などと協力する。アワビやサザエなど、LINEで注文された商品を玄界島から海を越えて客先に届ける。実際のサービスに近い形で有効性を検証し、2020年度以降の事業化を目指す。NTTドコモや気象情報のウェザーニューズなども参加する。実験期間は7月30日から8月2日まで。実験では玄界島と九州本土にある飲食店のバーベキュー場、玄界島と能古島のキャンプ場の間を飛ばす。(リンク先より引用)

ドローン物流の実証実験は国土交通省が主導して昨年度からスタートしています。福岡での取り組みはその流れを組んだもののようです。その内容は、こちらで確認できます。一応、FISSを確認してみましたが、こちらもまだのようです。

このように楽天もANAもまだ実証の段階ですし、FISSの広布・施行自体も明日(2019/7/24)からという事で、今この瞬間(2019/7/23)は全く問題ありません。

そして、このような物流事業者がFISSにそのルートを登録することで、ドローンユーザ側はお互いにニアミスを防ぐことができます。むしろ、ドローンユーザにとっては、今後はFISSを見ておかないと何が飛んでくるか分かりません。

現状でもプロのドローン操縦者はヘリコプターの音がしたら、すぐに距離を確認して、問題がありそうなら即刻ドローンを着地させる事が求められます。物流ドローンも、そのような扱いになっていくのではないでしょうか?

ドローン物流競争の行方

また別の視点ですが、ビジネスとして見たときに楽天(肉)もANA(魚)も、運ぶものがバーベキューというのが興味深いです。ドローンでのフードデリバリーマーケットと言えば、Uber Eatsが狙っています。これから、主戦場となるであろうドローン物流競争は「まず食から」ということでしょうか。その行方を考えたことがありますか?

以上のように、国内では海上での運用がスタートしていますが、これが地上での運用となると、どこに「空の道」を通すのかが議論されることになります。ドローンが自分の土地直上を飛び交うところを想像してください。定期便になると、それは定期ルートです。毎日、何十台も自分の家の上を飛ぶことになるでしょう。

そこでルート開拓の鍵になるのは、従来その場所でオペレーションをしていたドローンユーザとの調整、そしてルート直下の地権者が「空の道」を受け入れるかどうか。これが争点になるでしょう。

さて、我々sora:share はそんな時代に先駆けて、空の道を構築する事業を行っています。空に道をかけるパートナーを募集しておりますので、気になる方はアクセスしてみてください。

FISS登録の仕方はこちらを参照ください

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