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オーセンティックな酒場巡り
酒場、特に「オーセンティックバー」と言われるバーを巡るのが好きだ。
「オーセンティックバー」とは、バーテンダーさんがいて、たくさんのボトルが並ぶ棚の前で、シェーカーをフリフリしてくれるタイプの酒場のこと。
巡る、といっても一回の来店でそこそこのお値段がかかってしまうので、学生のわたしは2ヶ月おきぐらいでないと行けない。
こんなことを趣味にしていると、気取りやがってと思われそうだが、ちゃんと通い始めた理由がある。
飲酒可能な年齢になったあと、多少お酒を飲む機会があったが、わたしにはビールや缶チューハイがどうにも美味しく感じられなかった。出されれば飲めるけどというレベルではなく、味が受け付けられなくて1缶飲み干せないぐらい。
このままでは、いつまでもお酒を美味しく飲めなくて寂しい! 今後飲み会などで誰のお酒にも付き合ってあげられない! と不安に思って色々調べたところ、意外にもウォッカをベースにしたカクテルは飲みやすいらしいと判明した。
でもカクテルなんて自分じゃ作れないしなー、バーに行くにも勇気がいるしなー。そもそもこんなちんちくりんが、バーに行ったり、カクテルなんてお洒落なものを飲んだりするなんて、とんだ酔狂だぜ!
そんな不安を抱えながら日々を過ごしていたのだが、石川県の金沢を訪れた時に「初心者歓迎!」と書かれた張り紙のあるバーを発見!
勇気を出して踏み入れたところ、本当に素敵な世界がわたしをまっていた。
紳士的なサービス、薄暗いペンダントライトの明かり、シックな色のバーカウンター、棚に並ぶ色とりどりで妖艶な模様をしたボトルの数々、黒いベストを着用した「いかにも」なバーテンダーさん、艶やかなカクテルグラス、常連らしきナイスミドル、グラマラスな夜職のお姉さん。
ここに来なければ、決して見ることのないもの、話すことのなさそうな人達が、優雅に思い思いの時間を過ごしていた。
あの酒場に流れている時間は、遅い……というか、まるで粘性を持っていて、ゆっくりと進んでいるようだった。
そして、お酒。
缶チューハイで喰らっていた嫌なアルコールの風味が全くない。
きっと市販のお酒よりずっと度数が高いはずなのに、香りも味もマイルドでとっても飲みやすい、もっと飲みたいと思える、素敵な2杯を提供していただいた。
若いマスターは、「学割きかせたから!」と言って、すこしだけお値段もサービスしてくれた。
そっかー、ついイメージに引っ張らっれてしまっていたけど、カクテルもバーも決して表面的なお洒落さ、高級さを売りにしているわけではないんだな。
確かな酒類の提供、人情あふれる接客。そして、トロリと流れる重厚な時空間。
これを味わうためなら、何度でも来たくなるし、多少の出費もいとわないと思うようになり、バー巡りが趣味になりました。
銀座のバーで、2杯+席料で8000円の金額をとられてからは、しばらく行かなくなったけど。
理不尽なこの世界と、どのように折り合いをつけるかを探る雑談系Podcastもやっています。
今回は、カラオケの楽しみ方パターンについて語っています。
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