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介護福祉士が始めたうたごえ喫茶 ②

 介護とは何か。そう尋ねられたらみなさんは何と答えられるでしょうか。私は、介護とは「生活」であり、「相手を受けとめること」と答えています。

生活とは、特別なことではないということ。私たちが普段何気なく行っている、自分で判断して日々を過ごしていくこと。病気や障がい、高齢により自分での判断が難しくなるところを他の人に手伝ってもらうことで、決めていけるようにすることが介護者には求められます。

相手を受け止めることとは、まずは相手を素直に「そういう人」なんだと、文字通り受け止めるということです。あえて、受け入れる ではなく、受け止める としています。印象の問題ですが、受け入れてしまうと自分の精神がもたないという経験をしました。それに、自分の考えというフィルターを通して相手を見てしまうと感情が先行してしまい、結果自己満足でしかなかったということもありました。なので、良いとか悪いという評価を入れず、まずは相手をいち個人として受け止めるという姿勢が大切だと考えます。

この二つのことは、言葉でいうのは簡単なのですが、実践していくのは難しいです。ポイントは「余裕」です。気持ちに余裕が持てるかどうか。これがなかなか難しい。なぜなら、気持ちに余裕を持てるかどうかは、自分一人の力ではどうにもならないからです。プライベート、職場環境、社会環境などいろいろな要因が絡んできます。以前は、「仕事とプライベートは別」と思っていましたが、プライベートがうまくいかない状態で仕事がしっかり出来るはずはないと思いました。例えば家庭に何か問題がある場合は、解決してもらうよう勤務日数を考慮するとか、夜勤を外すとかの配慮が必要になってきます。職場の人間関係も当然、仕事との関わり方に影響を及ぼします。コロナウイルスへの対応も当然、「余裕」を持てるかどうかに関わってきます。こういったことを管理する立場の人や、自分が悪いと思ってしまう真面目な(?)介護職員や介護者は個人の問題として終わらせてしまうことが多くみられます。「その人らしさ」を大切にしましょうと言いながら、自分自身が大切にされないのでは、それは無理な話ではないでしょうか。結果それが介護の仕事へのネガティブなイメージへとつながっていると感じます。組織の運営論については、また別の機会に書くとして、なぜうたごえ喫茶を始めたかという話に戻します。もう少し続きますのでお付き合いください。





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