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人事異動の思い出。デイケアの仕事⑰



出会いがあれば、別れもあります。利用者様もそうですし、職員も。


勤務していた施設では、毎年4月になると人事異動が行われていました。


なので、3月頃から職員はソワソワしだします。

私は、何故か退職するまで異動することなくデイケアにいたので、かなりの古株になっていました。


ある年、入所から男の子が異動してきました。歳は私より2歳下で、とてもぶっきらぼうな感じで他者とコミュニケーションをとることがほとんどなく、入所では浮いた存在だったとの事です。


デイはご家族さまや、外部のケアマネジャーと接する機会も多い為、「えっ、この子大丈夫か?」というのが最初の印象でした。


異動して、数ヶ月。レクリエーションや体操を任されることもありますが、利用者様の前でも全く笑顔を見せません。


困ったなー。送迎時も無言なので、話を振ったり、彼を笑わせようと周囲でおちゃらけたり色々と試行錯誤していました。


そして、仕事終わりにラーメン屋さんに誘ったりして交流を深めていきました。


そうしているうちに少しずつですが、彼は笑顔を見せるようになり時々ボソッと話すようになってきたのです。


レクリエーションや体操の時の表情も始めとは全然違い、自然に笑顔が出るようになっていました。


段々たくましくなった彼を見て、嬉しく思ったものです。後に、彼は他施設に異動になってしまいましたが、良い仲間ができた素晴らしい出会いだったなぁと懐かしく思います。

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