お盆だからか、同級生を思い出しながらmixiにログインを試みた

お盆だからか…（我が家は母の実家の山形とあわせて7月がお盆の雰囲気です）Kくんという男の子、中学校の同級生を思い出している。

お盆で連想するままに、この「いた」という過去表現は、いまを生きている、生きていないの事実を表していて、Kくんは17歳か18歳の頃に人生を終えてしまった。

人の死を、それも自死だったことを踏まえても気安く「ネタ」として使うのはよくないけれど、Kくんが生きることをやめて10年が経とうとしているいまなお、

忘れてないよ、ということを形に残したくて、今夜はこの記事を書かせてもらおうと思う。

Kくんは、問題児集団の中心人物で、小柄な体なのにとても近寄りがたく、パンツ見えてるよ、というくらいの腰パンに、黒髪絶対の校則のなかで一際目立つ茶髪で、たまに学校にきてはオラオラしていた。

Kくんと同じクラスになったことはなかったけれど、小さい学校だったから顔見知りではあって、同時大流行していたmixiではもれなくマイミク（友達）だったから、私はそれはもう友達だったと思っている。小学生のときほど友達づくりは上手じゃなくて、でも大人ほど下手でもなかったから。

で、mixiには紹介文、という機能があって、相手の性格や、部活への取り組み、容姿の特徴や思い出やらを書くの。

めちゃくちゃ大変だったけど、鳥肌が立つほど久しぶりにログインをした。まぁ、大変だったといっても1日目、30分くらいトライしてダメで、2日目の5分くらいであっさりクリアしたくらい。（しっかりメモ残したよ）

私の紹介文といったら

・中学の先輩\(^o^)／不思議なキャラです(笑) また一緒にﾊﾞｽｹしましょ
・ドッジボール楽しかったな 笑 てか、後ろ姿は どー見ても男の子だったな(笑) ／
・俺のノートに落書きしすぎなんだよ
・あたしが人生で 　初めて出来た友達！

いや、結構褒め称えられてるのも多くて恥ずかしくなって、無難なのを選びました。みんな、相手のいいところを探すのが上手だったんだね。

そう、この紹介文を顔見知り程度だったKくんも、私に書いてくれていた。

『中学の同級生。あんまり話したことないけど、バスケ部で頑張ってる。犬好きっぽい。俺も犬好きです。見た目怖いかもしれないけどそんなことないんで、会ったら声かけてください。』

こんな感じの内容だった。今日、ログインしてみたらなぜかな、消えていた。間違いなくここに並んでいた、私を紹介してくれていたリンク先から、すっかり削除されていた。驚いてログインをしなおしたほど。

ニヤッとしながら、見た目とのギャップの紹介文が好きだった。
もしかして私の妄想だった？なんて思ったりもした。

でも妄想だとしたら、Kくんのことをこんなにも優しいという印象は抱かなかっただろう。怖いのは見た目だけで、ヤンキーに多い友達思いな子だった。

高校生の頃、Kくんが自殺した、という情報はすぐに届いた。
本当に衝撃で、嘘だと思いたかったけれど、mixiの友達の投稿にちらほら「嘘だよね…？」「お通夜に行けなくてごめん」といったつぶやきが、Kくんあてだった。

Kくんが最期にmixiへ投稿していた「みんな忘れてっちゃうんだろうな〜さみしいな〜」という文字が忘れられない。
彼が投稿してすぐに、私はそのつぶやきをみていた。

なんのことだろう、そんなに中学時代が楽しかったのかな？なんて思っていたことまで、鮮明に覚えていることは、正直辛い。決してその瞬間、私が助けになれたのではないか…というほどの自惚れではないが、これを投稿した瞬間は生きていたんだ、と思うと、やっぱりやりきれない。

彼が命を断った瞬間、忘れていってしまうことを指すのは、自分の存在のことだった。忘れられちゃうことがさみしくても、彼は生きていることができなかった。

それでもやっぱり「なぜKくんが」、という言葉がでてしまった。学校がめんどくさかったのか、先生たちが嫌いだったのか、型にはまりたくなかったのか、いや勉強が追いつかなくて嫌になったのか。
どの理由であれ、彼は学校へ行かない、反抗するという動物的本能に従って生きていたのに。

彼とは友達だった。でも、卒業後の人生はもちろん、交友関係だってわからない。彼の人生に、小説のなかであってくれ、と思うような負の連鎖に巻き込まれ、追い込まれていった結末だったのかもしれない。
生きてるのが面倒になったわけでは、このSNSに残した、最期言葉からは感じられないから。

みんな忘れてっちゃうんだろうな〜、そういった「みんな」に私は含まれている。その決めつけは間違っていると、私が証明してみせる。正直私以外にもだいぶ証明してくれる人は多いけれど。

だいたい10年たった。もうアラサーなんだけど。ハンデに忘れ方を教えてくれよ、っていうくらい忘れられない。いっしょに今を生きていたかったね。

お盆だからかな、顔見知り程度の友達の君が今日の私に2000字も書かせてくれた。