「別に君を植えてないのに」
今年は連作不向きな君の為に、涙を呑んで、敢えて、植えなかったんだ。ただ、最後の里芋食べようとした時、これは無理だね、食べられないねってのを三つくらい、いつも里芋を植えてる元ティンパニの器へ放ったんだよね。ごみ袋には、捨てられなかったからさ。勿体ない気がしてね。
そうしたらね、遅ればせながらも、にょきにょき、日に日に、すくすく、伸びて来るやないですか。
「え?あれ、うん、育つね。すくすく、育っとりますね。君、あれでしょ、里芋でしょ」
こうしてわたしの頭の中では日々香水の歌