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長編小説「KIGEN」

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「AI×隕石×大相撲」 三つの歯車が噛み合ったとき、世界に新しい風が吹きました。 それは一つの命だったのか。それとももっと他に、相応しいものが、言葉が、あるのだろうか― 小学校5…
ようこそいち書房へ。長編小説はお手元へとって御自分のペースでお読み頂きたく思います。
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#ライバル

「KIGEN」第五十八回

 大相撲は年に六場所行われる。そして合間の期間で巡業といって、全国へ出向いては土俵を作り…

いち
9か月前
51

「KIGEN」第六十三回

     八章 「ライバル」  二〇二七年一月。周囲が早くから予想した通り、ライバルと目…

いち
8か月前
41

「KIGEN」第六十四回

「兄さんは強いです。場所中も毎朝必ずしっかり汗をかいてから国技館に入るじゃないですか。自…

いち
8か月前
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「KIGEN」第六十七回

 基源は負けを引き摺らなかった。昨日の黒星を感じさせない程元気の良い相撲を取って十勝目を…

いち
8か月前
45

「KIGEN」第七十九回

 関脇が定着した基源は、毎場所十番勝つのは当たり前になった。直近三場所で三十三勝する事が…

いち
7か月前
46

「KIGEN」第八十回

 だが天秀峰も大人しくしているわけがない。ケガの状態が取り沙汰されたものの、ひと場所の休…

いち
7か月前
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「KIGEN」第八十一回

 翌十三日目、基源はベテラン大関と当たって勝った。天秀峰は関脇と当たり、昨日の失態をかき消す様な豪快な上手投げで勝ち、負けを引き摺らなかった。そして十四日目、基源は結びの一番で横綱戦が組まれた。大注目の一番に、この日最高の五十二本の懸賞がかけられ、土俵周りを懸賞旗が何周もして場内アナウンスが続くと、館内がどよめき拍手が沸き起こった。またしても横綱が貫録を見せつけるのか、それとも新たな風を巻き起こしつつある基源か。淡々と仕切りを終えて、時間いっぱいで力強く仕切線に手を着いた基源

「KIGEN」第八十二回

 長い相撲になった。組み合って尚容易に投げられない。お互いに巻き返しを警戒している。だが…

いち
7か月前
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「KIGEN」第八十六回

 本来ならば隕石がAIに察知された時点で、不純物として丸ごと体外へ放出されようと働きかけ…

いち
7か月前
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