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ビジネススクール(MBA)志望の方へ

「会社を辞めて、私費でもMBA行きたいんです!」

そんな相談を受けることがあります。意識高く凄いなと思うのですが、卒業後何をしたいかを良く考えた方が良いと思います。言い換えると、MBA取得自体を目的とすべきではないと思うのです。

簡単にMBAの解説をすると、Master of Business Administrationの略で日本語で言うと経営学修士。数年の社会人経験をしたビジネスマンが集まって、経営学を自分のビジネス経験と照らし合わせながら、ビジネスケースを題材に議論します。

この「ケース」というのは、ヒューレト・パッカードやペプシなど実在する企業の施策や課題をP20-P30くらいにまとめてある教材を使って、「自分が経営者ならどういう判断を下すか」ということを、複数人のチームでディスカッションしたり、クラスで発表したりします。

この、ケーススタディと座学(統計学、マーケティング、生産管理などの理論)を一通り、1年ないし2年で学びます。

最新のUSA Todayによると、米国でのランキングは以下の通り。

1位 ハーバード、2位シカゴ、3位ペンシルベニア(ウォートン)、4位スタンフォード、5位MIT、6位ノースウェスタン(ケロッグ)、7位カリフォルニア(バークレー)、7位タイ ミシガン、9位コロンビア、10位 ダートマス

入試は基本的にTOEFL、GMAT、エッセイ、推薦書を提出。書類審査後、インタビュー(面接)があり、合否が決まります。米国ではスタンフォードが最も競争率高いです(合格率数%)。試験の詳細はまた別の機会にでもご紹介しようと思いますが、TOEFLもGMATも4時間英語のテストを受け、GMATに至っては、英語で数学の問題を解いたりもします。

さて、ここからが本題。

入学するのも大変なのですが、予備校代、テスト代、出願費用、学費、滞在費等々を合わせると2年でだいたい3千万円はMBA留学に必要になります。

内訳は、予備校・テスト・出願費用等々400万円、学費1500万円、滞在費1000万円という感じでしょうか。もちろん、滞在費や予備校代を節約することも可能なのですが、それでも2000万円以上の支出は覚悟すべきです。

私は社費で行かせていただいたので良かったのですが、これを自費でとなるとそれほどの価値があったかどうか考えてしまいます。

良くある、MBAにいく理由その1。転職に有利で、年収が上がるから。

例えば、2年間3千万円を投じてMBA留学をしたとします。年収は留学前600万円として、2年間働けないので1200万円分は機会損失が発生するとすると、留学による代償は約4千万円。可処分所得ベースで考えると、7千万円分の稼ぎ増を期待する必要があります。10年間でこの7000千万円を回収するとすると、1年間700万円、つまり1300万円以上の年収を卒業後安定して稼ぎ出せれば、費用対効果で行く価値はあると判断できます。

MBA生が卒業後転職するのがコンサルタント。

平均年収はこちら。コンサル経験がないといきなりマネージャーというのは難しいので、転職してすぐに1000万円に届くというのは厳しいと思います。

仮にシニアマネージャークラスまで行き、年収1500万円を超えるようになったとしても、競争の激しい世界、ハイパフォーマンスを出しながら10年以上も生き続けられるかというと、それはそれで難しいような・・・

ということで、MBA = 高収入 よって行った方がお得!!と早計に判断するのは危険です。

そもそも、有名コンサルタント会社にMBA卒だからと言って簡単に内定するとも思いませんし・・

次回に続きます。




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