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明け方の若者たちを観て

福岡に住んでいた去年に観た映画が「明け方の若者たち」でした。出ている俳優の方が好きで観ようと決めたのと主題歌を聴いた時にいい映画な気がすると思いました。

恋愛映画という印象を見る前は持っていましたが、見終わった後はモラトリアム映画というか20代映画という感じのジャンルの映画だなと思いました(ポジティブに)。
大人になろうとする若者たちの時間はその瞬間にしかなく、その瞬間は二度と戻らないことをわかっていない。そんな時間を表現した映画で、点ではなく線の映画だなと感じました。

5年間って長いですが、この瞬間の5年ってほんと長くてもしかしたら一番変化する時間かもしれない。そんな5年間いっしょにいたのに、ハッピーエンドじゃないのかよと思う人もいるかもですが、そんな大事な5年間を沼のように好きな人と入れたことは「幸せ」無ことだよなと自分は思います。「ハッピーエンド」ではないかもしれないけど「幸せ」な映画だし、だからこそあの終わり方なんだと思いました。

花束もちょっと思い出しただけもそうだけど、この映画もちゃんと同棲(半同棲)生活が描かれていて、それが本当幸せな生活にみえる。大人になろうとする若者にとって、好きな人といっしょに毎日を暮らせるということは、それだけで何にでも勝てるような錯覚を起こさせてくれるくらい尊いものなんじゃないかなと。自分にとっても生活があったからこそ仕事が頑張れたことが何度もありました。


だからこそこの映画は主人公のことを点ではなく線で表現してた気がするし、最後があの終わり方なんだと思う。残酷なハッピーエンドを乗り越えた先でも、過程の幸せは忘れることはないし、その価値は変わらないことを教えてくれるような映画でした。

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