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ハムレット

「花」
美しいもの、安らぎを与えてくれるもの、として映るものだけではなく、「人間性」(人の中の自然さ)を表現するのに重要な役割を果たしていることが多い。人の容姿、人の心理、人の過去も未来も語れる、イメージを作り出せる。

仏典に現れる植物の数は約百二十種あるといいます。
聖書には新約・旧約合わせて百二十五から二百三十種くらいとされています。

シェイクスピア 1601年頃執筆
父王の死に憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から父の亡霊が夜な夜な城壁に現れるという話を聞き、自らも確かめる。父の亡霊に会ったハムレットは、実は父の死は叔父による毒殺だったと告げられる。父王を毒殺して王位に就き、母を妃とした叔父に復讐を誓ったハムレットは狂気を装う。そして恋人オフィーリアさえも無下に扱い、偶然とはいえ、彼女の父親に手をかけてしまう。・・・・・オフェーリアは度重なる悲しみに狂ってしまい、冷たい水の中へ・・・・・。

「この世は舞台、人間はみな役者」
そう記したシェイクスピアは三十八編の戯曲、六種の詩篇を残しましたが、これら全作品には植物が七百七十五回も言及されています。しかし、その中には実態不詳で、名前や品種を固定するのが困難なものも含まれています。それゆえ数える人によって異なりますが、植物の種類は百五十から百六十種くらいといわれます。シェイクスピアが植物に寄せた思いの程が想像できます。「花言葉」のように植物特有のイメージを人に照らし合わせることができる。

「オフェーリア」
・・・・・これがローズマリー、忘れな草よ。ね、お願い、私を忘れないで・・・・・。それからパンジー、これはもの思いの花よ・・・・・。王様にはフェンネルを、それからオダマキも・・・・・。王妃様には悲しみのヘンルーダ・・・・・。

『ハムレット』
四幕五場より

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