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オズの魔法使い

The Wizard of Oz
ライマン・フランク・ボーム 1900年

少女ドロシーが住むカンザスは「灰色の大草原」。畑も灰色なら、家もペンキが色褪せて灰色。そこへある時、空がいつもよりもっと灰色になり竜巻が襲ってきて、ドロシーと飼い犬トトは家ごと、素晴らしく美しい真っ青な国へ飛ばされてしまう。そこはオズ王国の中の、小さい人マンチキンの国でみんなが青色の服を着ている。落ちた家はマンチキンたちを独裁していた東の悪い魔女を圧死させる。北の良い魔女がやってきてマンチキンたちと喜びを分かち合い、悪い魔女が履いていた銀の靴をドロシーに授ける。カンザスへ帰りたいなら、と、マンチキンたちは偉大な魔法使いオズの住むエメラルドの都へ行くことを勧め、黄色いレンガの道を辿ってお行きなさいと言う。灰色の世界から一転して、色の氾濫する世界が開ける・・・。
孤独で寂しい子供の前に現れて、秘密の友達になってくれるもの達は、これまでは、妖精や小人、空想動物などといった超常的存在なもの達でした。ところがこの「オズの魔法使い」では、少女ドロシーの仲間になるものは、藁の案山子とブリキの樵、臆病なライオンという三人組。やや情けない設定です。(やっと出会えた偉大な魔法使いオズも・・・)
作者ボームは何冊かの子供向けの物語を書いた後、真にアメリカ的な物語を、と意気込んで、本作を書きました。ヨーロッパの伝統的妖精物語からの決別を告げる、画期的なファンタジーの誕生になったのでした。

案山子は「脳」。ブリキの樵は「心」。ライオンは「勇気」。
エメラルドの都。黄金の冠、銀の靴。
大きさ、形は様々ですが、「色」を想像する事ができる。
東の悪い魔女、北の良い魔女、西の悪い魔女、南の良い魔女。
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