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アンクル・トムの小屋

📗【アンクル・トムの小屋】
ストウ夫人 1852

Never give up, for that is just the place and time that the tide will turn.
決してあきらめないでください。
そこが流れが変わる場所であり、時なのだから。

🍀
一九世紀のはじめ、ケンタッキー州のシェルビー農園では、恩情溢れる主人一家の下で、黒人奴隷たちは幸福な生活を送っていました。しかし、主人一家の農園経営の失敗が重なるにつれ、黒人奴隷たちの運命も変化しはじめます。
物語は一つの起点から始まります。そこから二つに分かれる展開で物語は進みます。
黒人奴隷たちの二つのグループのうち、一つのグループは自由なる北へ、他方は暴虐の南へと、それぞれの冒険や体験を経ていく様子が描かれます。そして最後につながり、
「悲劇」と「大団円」
が同時に訪れる仕組みになっています。
🍀
作者のストウ夫人は厳格な牧師一家に生まれ、オハイオ州にて結婚。次々と子供が生まれて育児に多忙な日々を送りましたが、他方、奴隷制度の残酷さをつぶさに視察することとなります。その経験がこの作品を執筆する動機となりました。1850年に制定された奴隷の自由州への逃亡を取り締まる逃亡奴隷法に対する反対の意図を込め、1851年から雑誌に『アンクル・トムの小屋』の連載を開始しました。「この作品は神が書かれたもので、私は神の御言葉をただ筆写しただけにすぎない」。
リンカーンは1854年、民主党の奴隷制拡大論者が提案したカンザス・ネブラスカ法が成立し、ミズーリ協定が破棄されたことに強く反発し、共和党の結成に加わり、やがて頭角を現して1860年に大統領に当選、それを機にアメリカ合衆国は奴隷解放問題を一つの引き金にして南北戦争「American Civil War」(1861〜1865)に突入します。その過程で1863年、奴隷解放宣言が出され、ストウ夫人の訴えは一応の結実となりました。リンカーンが南北戦争の最中にワシントンでストウ夫人に会ったとき
「なるほど、あなたがこの大戦争を起こした可愛い女性でしたか」
と言ったというのは有名なエピソードです。

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