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半月

🌓『KUROSOLO壱番「半月」』
黒谷都 1995 発表
演劇(ソロ)

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黒いベールをかぶった女が、薄い布を一枚一枚とりだして、ていねいに並べ、並べかえ、結び合わせ、包み、抱き、立たせ、人形に着せ付ける。薄暗い世界に幼い赤ずきんが誕生する。女は人形に与えた「生」を言葉でなく動きで語る。人形たちの運命を背負い、ときに人形と向き合ってきた女の存在自体がこの物語となり、人形と人形遣いは「生」を共有するモノ同士となる。
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自らを「傀儡女(くぐつめ)」という黒谷都は1974年に人形劇団に入り、人形遣いとして歩み始る。1977年に『銀猫商會』を旗揚げ以後2002年迄、主宰をつとめる。(その間、舞踏集団に在籍し研鑽)『銀猫商會』公演作品では、全13作品、企画制作主演をつとめている。1994年、国際交流基金・人材派遣事業の助成を受け社会主義体制崩壊後のチュコへ研修、帰国後の1995年、「半月」を発表。劇人形のソリストとしての道を歩み始める。

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🌓✨🎭✨
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「アニミズム」
個々の事物は固有の霊魂を持つという原初的な自然観をいう。
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「人形」は動きを与えられると生命感をあらわすモノ。動きを無くした人形は、いずれはボロ布のように、打ち捨てられる。(人間とどこが違うのか)
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「傀儡女」は、廃墟を彷徨い、「生」の破片を拾い集めて人形を蘇生させようとする。すべてが無言のうちに表現され、次第に、ぼんやりと「生」が見えてくる。「人形」と「傀儡女」だけの世界。僕たちは「生」を窺う。明るい方と暗い方を。
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