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アルジャーノンに花束を

🖌ダニエル・キイス

📖33歳のチャーリーは幼児の知能しかない精神薄弱者。昼間はパン屋で雑用にこき使われ、夜は精神薄弱センターに行って読み書きの勉強をする、という毎日を送っていた。従業員によくからかわれるが、彼はそれを親しい仲間関係の証だと思っているし、センターで言葉を教えてくれるミス・キニアンは優しいし。という具合で、人の良いチャーリーは毎日を結構楽しく幸せに暮らしていた。・・・・そんなある日、ミス・キニアンから勧められ頭を良くしてくれる実験に加わる。知能テストの時、彼がこれから受ける脳外科手術を先に受けた白ネズミ「アルジャーノン」に出会う。共に迷路のテストを競走したが、彼は一回もアルジャーノンを負かす事が出来なかった。チャーリーの手術はつつがなく終了する・・・・。

📎一人称の日記による経過報告形式で、チャーリーが実験で白痴から天才に。そして一転して白痴に戻っていく半年余りの物語。作者ダニエル・キイスはこの作品ただ一作でSF界に名を博したのでした。

📖・・・・白ネズミのアルジャーノンは奇妙な行動をとるようになり、そして死ぬ。チャーリーはその死体をアパートの裏庭に埋め花を供えた。・・・・やがてチャーリーにもその兆候が表れ始める・・・・。

✍️僕は、文字でも映像でも「作品」と呼ばれるものに「ハッピーエンド」を求めています。少しでも「希望」を残して締め括って欲しい。「作品」という異世界に行って、生きていく「チカラ」(自信)を得て、こちらの世界に帰ってくる。その為に、締め括りに幸福と充実を感じさせて欲しいからです。

✍️・・・・この「アルジャーノンに花束を」は別。予想通りの結末と、淡く儚い希望。悲しい締め括り。これら以外の答えを望みません。・・・・僕を、人を外見で判断せず、内面で見るようにしてくれた作品です。

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