20歳で終止符を打とうとしたMへ

20歳になりたての時。彼女は誕生日を迎えた2週間後にピリオドを打とうとした。

物語は語ると長くなるからまた今度で。

やりたいことはなんてことない。
ただ、ちょっと1年前の彼女にいちゃもんを付けたいだけ。

2018/12/25.

これは彼の家へ残した遺書。

Tへ。
昨日は酷いことを言ってごめんなさい。
本当はあんなことが言いたいんじゃなかった。
キスもセックスもしてくれたけど、「好きじゃない」って言われたことを考えてから後から悲しくなったの。
いきなり来て次の日仕事なのに泊めてくれてありがとう。同情だったとしても嬉しい。
抜毛が酷くなった頭見て気持ち悪かっただろうに何も言わないでいてくれてありがとう。

今月に色々考えて悩んで実は20歳を区切りに今日死のうと考えてました。
Tにフラれて辛かったからじゃないよ。
何もかも中途半端な自分が嫌になったの。
だから最後にTに会いたかった。
最後まで大事にできなかったことが心残りだけど。(朝に「おはよう」も言えなかったね。)
クリスマスプレゼント選ぶ時にたくさんTのこと考えた。
ミルクティーがすきなこと。派手な服は好きじゃないこと。教えてくれたカトルカールも。
お菓子作り苦手だけど頑張って作ったんだ。
「おいしい」って言われなくてもたくさん食べてくれて本当に嬉しかった。
たくさん迷惑かけたし傷つけちゃったこと反省してます。
私の20年に花を添えてくれてありがと。ずっとTのことが大好きです。

P.S.
おうちのおそうじや料理や洗濯がんばったんだ。
これだけでも褒めてくれたら嬉しいな。
(鶏肉コゲた ごめん！ポテサラとケーキ、シャンメリー(ノンアル)もあるよ！)

財布の中にあるお金少ないけどTが役立ててくれればそれがいい。私にはもう必要ないから。
(セブンスターも残りあげる。)

お仕事お疲れさま。おうちでゆっくり休んで。
Mより。

2018年クリスマス当時の彼女へ

20歳のMへ。

泣いていい、君は頑張った。好きな男のために一生懸命になれたんだ。それだけでめっけもんじゃん。よくやったよ。むしろ振った女のこと平然と抱くような男と別れて正解だったよ。「してくれた」なんて言うんじゃねえ。

君が本当に命を投げ出したくなった理由は「中途半端な自分が嫌になった」でもなければ「振られて辛かったから」でもなくて、一番辛かった時期に最愛の人から手を離されたからだろ？自分の気持ちを偽るなよ。

相手のこと必死に考えて行動できたんだから。それだけ1人の人を愛せるなら今後はいい恋愛できるよ。君が20年で終わらなくて良かった。これからの君は誰よりも強いよ。
そして、そんな君が好きだ。これからも生きてくれ。


君の事を愛する1人より。