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「天国と地獄」.2

 それから、神様は木こりの祈りに応えて彼が本当に助けが必要な時にだけ力を添えました。

 しかし神様は天界におり、木こりは人間の世界で暮らしています。そのために、彼は苦しいことや辛いことが起きてもその度に神様に助けてもらう訳にはいきませんでした。

神様は日々衰弱していく木こりを見てはおれず、それでも天界にいる自分が度々木こりの元へと降りていく訳にはいかず、途方に暮れておりました。

そこで、神様は腕を切り血を流して自分の代わりに木こりを助けるための人間を2人作りました。

1人は若々しい青葉のような少年。
1人は逞しい戦士のような青年。
どちらも木こりを助けるために神様に作られ、神様によく言い聞かされて、人間の世界へ降りていきました。

その頃、木こりはいつも通り神様へ祈りを捧げるために神棚へ掌を合わせておりました。
すると、神棚から神様の声が聞こえてくるではありませんか。

「少しいいかね。」
「はい、神様。なんでございましょう。」
「君は『天国と地獄』の話を知っているかい?」
「いえ、知りません。」

神様はこの世に伝わる真理を木こりへと伝えた。
「この世界は3つの世界に分かれている。1つは人間の暮らす世界。1つは私たちのいる天界。1つは想像するだけでも恐ろしい地獄の世界。
君たち人間は、基本的には人間の世界で暮らさなければならない。しかし例外もある。
君のように苦しむ人間のために考えられ方法があるんだ。
それは、【10の地獄に堕ちると天界で暮らすことができる】という措置だ。
しかし、それは辛く厳しい道のりでいくつ命があっても足りないと感じるかもしれぬ。
けれど、君はすでに2つの地獄に堕ちているね?命の危険を感じるほどの災厄に見舞われた筈だね。
ならば8度の地獄を乗り越えて私の元へ来るもよし。私がこれより遣わす""人間""2人を頼り生きていくもよし。
まあ、君の好きなようにしてみなさい。」

そうして神様の声は聞こえなくなりました。
それと同時に木こりの前には、見知らぬ人間が2人現れていました。

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