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詩集 月光読書 弍

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何気なく思いついた詩を書いていきます。最初の月光読書はノベルデイズにあります。https://novel.daysneo.com/author/lunagon/
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#私の作品紹介

【詩】精霊が呼んでいる

──精霊が呼んでいる あの青々した木陰で あの澄んだ湖で ──精霊が呼んでいる 他の誰にも知られていない名前で呼ぶ わたしはここに居る 確かにわたしはここに存在する ──精霊が呼んでいる 虜になった踊る子供たちは どこまでもどこまでも 飛んでいく 空を目掛けて飛んでいく ──精霊が呼んでいる 無口になった鳥よ 肩に乗って 囀ることを忘れないで 戻ってくること何時だって待っている ──精霊が呼んでいる 暗い洞窟で カンテラ持って歩く老人は

【詩】どうしようもなく螺旋の渦

これは静止した世界で起こる 何時でも側にいてくれる人なんていない あなたがどうなんて言葉は出てこない 孤独で 孤独で 孤独で でも孤独で死んでしまう事もない 只生きてるだけの屍になる 空中に浮かぶ霧のようになり 誰かの息になるなんてことはない それが世界中でいちばんの孤独だなんて いったい誰がわかるだろう すぐに見渡してみて 周りにある堤防が決壊しそうで 怖くなる 唇から出る黒いものは何? それは澱のようなもの 孤独という名の澱のようなもの

【詩】落下する夕焼けの中で

怒りに対する防御が悲しみなのか とめどなく流れる涙でさえ 許してはもらえない 相手を刺すような物言い 廃屋になった魂の行き場 黄昏時のあなた 泉を模倣した雫 微かな遠吠え 誘惑の懺悔 黄昏時のあなた 渾身の一撃 忌々しい怪奇現象のような されど行き着く先は奈落 遠回りの路地 朝焼けが目に沁みる 黄昏時のあなた 憂鬱な蕁麻疹 それぞれが全て意味のあるように 存在する景色の中 心は磨耗する さあ勇気を出して生きろと 逝ってしまいそうな結実が 叶いそうにない努力が 捕まえよう

【詩】愛を知らない貴方へ

まんまるのお月様にのって 飛んだり跳ねたり 笑って 笑って 貴方の頭に乗ったり 幸せになろうよ 一緒に 知らない世界見たりしてさ 目に見えないものを 探して歩こうよ 黄昏の中佇む貴方見てると 不安になるよ でもさ きっと楽しいこといっぱいあるからさ わたしのこと好きになって 幸せにする覚悟はできてる いっぱい いっぱい 笑わせるから だから一緒に手を繋ごうよ 愛してるよ 大好きだよ こんなに想ったことないよ だから愛を知らない貴方へ これだけは確かな言葉の羅列 いっぱ

【詩】寂しい時に聴こえてくる音楽は切なくて

寂しい時に聴こえてくる音楽は切なくて 愛を問いかけ 愛を知り 愛によって裏切られる 世界は荒廃するばかりなのか 気分次第で 人を許せず そして許し 君たちは前に進む そんな中救ってくれるのは どんな救世主なんだい 寂しい時に抱きしめてくれる手もない 悲しい時に一緒に泣いてくれる人もいない 孤独の中生きる 新しい出会いを信じて生きる それがいまの世界 順序よく並ぶ行進が テレビに映ってる それを見て腹正だしく感じるのは 病んでいるからだろうか 蝿が頭の上を飛んで

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 凍てついた心が確かな言葉を信じるよ そっと触れて あの優しい月みたいに ああ 過ぎ去っていく青春よ ああ 無口な影よ 貴方となら どこにでも行けると信じた過去よ どうかこの愛を受け入れて 涼しい顔の猫のような そんな顔をしないで 報われるなら 何処にでも行けると信じたあの日々よ 帰ってきて 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの あの丘に登ってみても 答が出ないんだ それは永久に出ないのか 教えて欲しい

【詩】枯れ葉が僕の頭に絡んできて想う事

枯れ葉が僕の頭に絡んできて想う事 風が吹いてる 心の隙間に棲みついた陰が 僕の心を摩耗する 明後日のほうへ向かっていく 情けない情景が 今日の自分を構成している 誰かに触れたいわけじゃない 誰かに触れてほしいんだ そんな我侭な台詞 言ってみたくて 街を彷徨う

【詩】ただキスしてほしいだけ

君の冷たい頬触る 寂しい気持ち心に反響する いつだって見えないモノが 本当に大事なモノって言うけれど 今欲しいのは そんな言葉じゃない ただ抱きしめて ただ許して ただキスして それだけが 思い出になれさえすれば 他には何もいらないんだ 思いやりや優しさや感謝や 僕には虚しく映って ゴミ箱に捨てたくなる勇気ほしいんだ いつか死ぬのに 必要なものは きっと少ない 僕には温かいベッドがいる それは簡単なもののようで とっても難しい ただ抱きしめて ただ許して ただキ

【詩】独り道

【詩】冷たい君の涙 本当に僕が好きなの

冷たい君の涙 本当に僕が好きなの あの丘にのぼって考えてみても 答えなんてでてこないんだ ああ 好きなのに 言葉がうわずって風にのってしまう ああ そばにいたいのに 君の手が離れてゆく 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 夜空に浮かぶ月を見て とぼけた声で叫ぶんだ ああ ありがとうって 素直にいえないのは悪い癖で ああ そばにいたいのに 君の背中が冷めている 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 僕の心をそっと撫でて欲しい そっと撫でて欲しい これにはメロディ

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 風のように言葉が舞っていく 明日どこかへ行きたいななんて 言えるはずもなく 部屋に一人佇む すぐそこで 会える気がする 今日も黄昏を見に歩きに行こうか 冷たい君の涙 知っているよ 片思いだって いつか温もりを感じたいなんて それはただの独りよがりさ

【詩】太陽と月

緩やかに絶望していく姿は惨めだろうか 誰かに愛されることがなかった僕は 君のいうことが理解できない されるがままの体が熱くて それでも虚無が襲ってくる なにをされても僕は暗闇の中で踠く もっともっと欲しいと あめ玉を欲しがる子供のようになる 渇きは癒えず またあの砂漠へ引き戻ってしまう それが怖くて君を求めてしまう ごめんよ本当はこんなことしたくない 求めて求められて 素直に愛し合うことができれば どんなに幸福だろう 僕ばかりが片思いみたいに君を欲している そんな僕を

【詩】放漫な肉体の中の悪魔

水飛沫がとんで顔に撥ねた 些細な言葉で心が疲労する 燻し銀の眼鏡がズレて落ちそうで 人さし指と親指を使って徐に戻す そんな仕草が心を摩耗する 貴方はされど ここには堕ちてはこない 頂に登って上目遣いで眺めてる 興奮で息づかいが荒くなる 最高潮に達すると冷酷な姿に変貌する それが誰かといわれれば それは誰でもない 自分なのだと思い知る 季節外れの外套が 物語っているのは 不自由で侘びしい己 引き摺って歩くには重すぎる岩

【詩】君は僕の命

懶げな君よ 横顔を覗きこみ 僕はため息をつく 声が 息遣いが あらゆる全て 凌駕する瞳が 僕の細胞をしめつける