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【短編小説】夏に吐く

空を見上げると入道雲がそびえたっていた。

雲の向こう側で太陽が輝いている。

入道雲は後光をたずさえて,僕の心を離さない。

ドラッグストアのだだっ広い駐車場で立ち尽くす。

今が朝なのか夕方なのか分からなくなる。

夏が大嫌いだけど,こんな景色が見られるのなら少しぐらいは許してあげてもいいのかもしれないという思いが掠める。

さっき家にいた時に吐いた気配をまだ口の中に残したまま,目を細めた。



おわり


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