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うつしおみ 第5話 見つめる鳥
太陽のない朝、
水面を叩く雨音に時の旋律が流れ刻まれていく。
小さな鳥が湖面から突き出した枯れ枝の先にとまって、
雨の景色を眺めていた。
秋の雨は空から重苦しい熱気を奪い、
あの夏の大騒ぎを鎮めていく。
世界が流転することは必然なのだ、
小さな鳥はそうつぶやいた。
季節が変わることは決して止められない理、
だが私は変わらない。
どれだけ世界が移り変わろうとも、
私まで変えることはできないのだ。
鳥はその目に小さな光を宿し、
それは内なる光の海から漏れて揺れる。
そこには時を刻む雨はなく、
ただ果てしない静けさだけが満ち溢れている。
光の海から流れ出た静けさが時を刻んで、
移り変わる季節に歌い舞い踊る。
季節に身を置く小さな鳥の目を通して、
光の海はそれを眺めるのだ。
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