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うつしおみ 第50話 希望の道

自らを見失った魂たちは、
見失っていることさえ分からず世界をさすらう。

そうして世界で触れたものを握って、
それに引きずられて歩いている。

その先に何があるのかは分からないが、
歩いている理由があることで安心するのだ。

そんな魂に世界が困難を与えなければ、
それで何が正しのかを考えもしない。

世界が困難を与えたなら、
慌てて握っていた手を離し、不安の渦に放り込まれる。

世界で生きることは続いていくが、
自分を見失った魂には確かな方角さえないのだ。

魂が自分を見失っていると知ることで、
その方角は霧の中に道として現れる。

だが、その道は世界から遠く離れていく道であり、
そのことが魂に疑心を抱かせる。

世界から褒められ罰せられてきた魂は、
そこから離れることが間違いではないかと思う。

世界は魂が自らを知ることを望んでいて、
世界を超えていくことが喜びなのだ。

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