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うつしおみ 第41話 呪縛と解放
闇夜に激しく鐘が打ち鳴らされ、
ほとばしる光とともに魂は目を覚ます。
その光は美しい世界を創造し、
魂にはそこで生きていく身体が授けられた。
その身体は急激に光を失って黒い影となり、
世界の底に落とされる。
魂は身体に浸透してひとつになり、
それを自らの拠り所とした。
そうして魂は世界という領域に
縛り付けられることになった。
いつしか魂は魂であることを忘れて、
身体だけが自分だと思うようになった。
歳月を過ごして身体の生命が尽きると、
また新しい身体が授けられた。
新しい身体は魂にとって喜びであり、
世界に戻れることで安堵した。
光の世界に鐘が打ち鳴らされ、
魂は漆黒の夜とともに目を覚ます。
そこで自分が魂だったことに気づくとき、
世界の呪縛から解放されるのだ。
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