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うつしおみ 第40話 無知と真実

世界に舞い降りた魂たちは、
思い思いの方向を向いて歩いていく。

誰かが山奥で金を掘り当てれば、
多くの魂たちがこぞってそこに集まる。

そこから金がなくなれば、
泥と血に汚れたまま魂たちは散り散りに去っていく。

何のためにというよりは、
そのときに欲望が激しい炎を燃え上がらせるのだ。

生きる歳月をその炎に任せ、
泥に塗れて血を滲ませその身を削っていく。

小さな金色の塊を酒に変えて楽しんでも、
それが悪いことだとは思えない。

楽しく愉快な時間は終わりを告げ、
世界はさらに生きる歳月を魂に与え続ける。

やがて魂は歩く気力がなくなり、
冷たい大地に膝をつき高く離れた空を仰ぎ見る。

何もかも失って傷だらけの魂は、
何のために歳月を生きたのだろうかと思う。

そこで少しの汚れも傷もない自分を知ったのなら、
世界はその魂を手放すのだ。

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