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うつしおみ 第37話 目覚めの扉

その夢は虹色が混ざりあって蠢き、
何かの形をつくろうとしている。

手を添えて望む形をつくるが、
その端から砂城のように崩れていく。

世界は雲のように形を変え続け、
その流れを止めることはない。

そこで形にこだわる人々は裏切られ、
世界に存在する意味を失う。

だが、夢の本質は完全に静止していて、
そこに形というものがない。

その本質に触れて同化すれば、
夢の中で夢から覚めることができる。

形がないため裏切られることもなく、
そこに存在する意味をも取り戻す。

本質は蠢く世界をその手に包み込み、
夢からの覚醒を促している。

その目覚めの扉は世界の中心にあり、
それは誰の心の中にもある。

賢者は世界を我がものとするのではなく、
その扉を我がものとする。

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