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母の夢はポケモンマスター


「たこ足捕まえてくるから、
 晩御飯ちょっと待ってて!!!」

母は私にそう告げて、兄と犬を連れて車へ。
詳細は知らないが
どこかの公園に向かったらしい。

「(タコアシってなんだろう)」

お腹が空いた。

母が帰宅した。私は訪ねてみた。

「何してきたん?」

すると母は答えた。

「ポケモン捕まえてきたのよ!」

なんだか、DS片手に友人宅まで遊びに行った
15年前の私と重なった気がした。えもい。

そして、それは恐らくピークが過ぎたであろう
”ポケモンGO"であると理解することができた。

私はルビー・サファイア・エメラルドの
ド世代だ。質問を続けた。

「あぁ。じゃあオクタンでも捕まえたん?」

母が答える。

「違うわよ。この子よ。」

そう言い、私に携帯の画面を向けた。




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わからない。
私にとってのタコアシはオクタンなのだ。

まあいいだろう。

とにかくお腹が空いた。
ご飯を作っていただきたい。

そんなことおかまいなしに、母は続ける。

「母さんの手持ちみてよ!!!」

小学生の様に目を輝かせ、
腹を空かせた息子に見せつける。

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わからない。

なんか知らないミュウツーいるし。

どれほど強いのか。
どれほどの時間を費やしたのか。
どれほどの愛を注いだのか。
わからない。

なぜなら、
私はポケモンGOをやっていないから。

お腹が空いた。

そんな母はさらに続ける。

「フカマルちゃんが進化したの!!」

そういえば、以前帰省した際にも
「フカマルちゃんが、、、
 フカマルちゃんが、、、」と
兄と会話してたのを思い出した。
当時は当たり前の様に
聞き流していたのだろう。

「(フカマルが進化するとガバイトだな)」

私はダイヤモンド・パールまで
ゲームをしていたので理解することができた。

そして案の定、
腹を空かせた息子に母は携帯の画面を見せる。

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ガブリアスだった。

(進化順:フカマル→ガバイト→ガブリアス)
(時間は後撮りのため遅め)

ガブリアスといえば、シリーズ終盤で登場するいわゆる"強キャラ"である。

そんな"強キャラ"はすぐに手に入る訳がなく、
途方にくれる時間を費やしたのだろう。

勝手にそう思い、興味本意で
どれくらいかかったのか聞いてみた。

母は答えた。

「アメが125個必要だったのよ。
 移動距離で言えば439kmだね。」

439km。千葉から岐阜県大垣市くらいである。

母は仕事もしている。
恐らく外周りの際に生じる距離も
加算したのだろう。


にしても。にしても母さん。母さん。


ママ友で流行っているという噂を
耳にしたことがあるが、
どうしてそこまで頑張るのか聞いてみた。

母は答えた。


「ジムで勝ちたいから。
 一緒に強くなりたいの。」


チャンピオンか。


母は続けた。


「今はリオルを育てているの。」


だから、チャンピオンか。


*チャンピオンはガブリアスとルカリオ
(リオルが進化したポケモン)を使用します。


そんな母は現在
540匹のポケモンを従えている。
現在はベトベター集めにも
奮闘しているらしい。


ちなみにアメリカの人から
ベトベターの卵を受け取り、
それがきっかけで友達になったらしい。


母にプレゼンされ続けていく内に、
少しだけポケモンGOが
気になっている自分がいた。



まぁ、そんなこともすぐに
どうでもよくなった。

なぜなら、お腹が空いているから。


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#私の不思議体験
#私の母親




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