数字の力でソラジマを支える。10億円の資金調達の秘密は、「ヒット作の因数分解」——コーポレート部長・中野真史郎
「誰もがバカにする、でっかい夢を叶えてみせるーー。」をミッションに掲げるソラジマ。今回、ソラジマではシリーズBで約10億円の資金調達を実施した。
スタートアップ冬の時代、WEBTOON市場では異例の「10億円」という資金調達を可能にしたソラジマ。その裏側と、これからの展望をソラジマ代表社員3名が語る。
数字の見える化や自動化によってソラジマの土台を支えている
取材担当:それでは、まず簡単に自己紹介からお願いできますか?
中野:ソラジマの中野です。
ポジションとしてはコーポレート部長で、経理や総務のコーポレート周りの総括をしています。具体的な業務内容としては、各種ITツールの導入やマニュアル作成による効率化などです。その一環として、GAS(Google Apps Script)やSlackを使った自動化を行ったり、スプレッドシートに手を加えて作品やプラットフォームごとの売上を把握できるようにもしました。
取材担当:非常に幅広い業務をこなされているんですね。
中野:でも、実際にやっていることは前職のプロダクトマネージャーの延長線です。
コーポレート周りの業務というのは、基本的に課題を把握して解決策に押し込んでいくという流れになります。以前はユーザーがいて課題を抽出して、それを機能に落とし込む感じでしたが、今はユーザーが社内に置き換わっただけなので。まずは課題が何かヒアリングをして優先順位をつけ、システムで解決できるなら外部のシステムを入れてもいいし、中で何か開発してもいいですし。
いろいろな数字を整理して見える化、自動化をするという点においては、過去の経験を活かしつつ着実にステップアップできているかな、と感じています。
取材担当:そういえば、以前のnoteでも代表から「必要なものを整備する能力が長けている」と言われたと書かれていました。
中野:僕自身、業務効率化や数値管理、スライド作り等は結構得意なので、今の業務は向いているのかなと思います。
例えば入社してから、作品ごとのROIやプラットフォームごとの売上分析などを行い、社内や投資家の方にわかりやすいように見える化したりしました。月次で株主定例をやっているのですが、毎月のスライド作成や株主への報告など全てまかせてもらっています。
10億円の資金調達の裏にあったヒット作の因数分解
取材担当:投資家関連の話だと、ソラジマは10億円という他に類を見ない規模の資金調達を成功させましたよね。中野さんは資金調達にどのように関わっていらっしゃったのでしょうか?
中野:資金調達にあたっては、代表の萩原と一緒に動いていました。
僕が主にやっていたのは、投資家がソラジマの価値やリスクの調べたい、となった時に必要になるような資料の作成や、質疑応答対応、契約面の調整などです。財務諸表であったり、契約書、あるいは「こういうデータない?」と問い合わせがあったことについてのデータをまとめたりしてました。
例えば、作品ごとのリリース後の1ヶ月後の売上、2ヶ月後の売上といったものをコホートにして渡したり、過去作品の売上の因数分解も行いました。つまり、その作品がどうして売れたのかを分析して、要素別に説明するんです。
取材担当:なるほど。投資家へのきめ細やかな対応と詳しい説明が、10億円もの資金調達につながったと。
中野:10億円の資金調達には、ソラジマがWebtoon業界の先頭を走るぞ、という決意を示す意味もあるんですよ。
10億円の資金調達というのは、スタートアップの中でもかなり大きな規模なんです。Webtoonスタジオとして見た場合は、これほどの金額は前例がありません。なので、これは「自分たちがWebtoon業界におけるリーディングカンパニーになるぞ」という意思表明をするためのフルベットです。
だからこそ、ソラジマに賭けてくださった投資家の方々に感謝して、期待に応えられるように今以上に事業を加速させていけたらと思っています。
3つのカルチャーを軸にPDCAが超高速で回っている
取材担当:ソラジマは会社設立からたった数年と思えないほど、企業成長のスピードが早いですよね。
今のお話にあった、企業としての目標が明確なところも大きく影響していると思いますが、中野さんがソラジマに入社してみて「ここが伸びている理由だろうな」と思うところはありましたか?
中野:やはり、大きいのはソラジマが掲げている3つのカルチャーですね。
例えば「Why No Feedback?」ひとつ取っても、ここまで相互でのフィードバックを徹底している会社って世の中を見てもそんなにないんですよ。そのフィードバックがPDCAをうまく回すことに直結していますし、常に社内でフィードバックが飛び交っている状態なので、組織の活力になっているなというのは強く実感しています。
あと、フィードバックと関連して、社内では「ダンベタ」も毎日飛び交っていますね。
取材担当:ダンベタ・・・とは聞き慣れない言葉ですが、どういう意味ですか?
中野:“Done is better than perfect”(「完璧を目指すよりまず終わらせろ」)という言葉を略して、それを「ダンベタ」と呼んでいるんです。
普通の会社だったら100%まで作り込んで出すところを、80%でもどんどん出そうと。ダンベタでやっていると、早いうちに軌道修正ができるし、アウトプットイメージがズレていた時でも無駄な時間を使わなくて済みます。それも、フィードバックのカルチャーがあるからこそうまく噛み合っている部分なんじゃないでしょうか。
取材担当:確かに、80%でもいいからどんどん提案しよう、という雰囲気があると仕事のスピードは格段に上がりそうです。
中野:そうなんですよ。しかも、ソラジマでは現場への権限委譲がものすごく進んでいるので、いい意味でスピードに歯止めがかからないんです。
入社してみたら思った以上に現場への権限委譲の徹底が進んでいたので、僕自身驚きました。FR(カルチャー「Freedom & Responsibility」)の名のもとに、小さなものから大きなものまで、本当に自由に現場で意思決定をしているんです。
振り返ってみると、ソラジマでは自分が決めたことが最終結論になることが結構多いですね。何か思いついたらとりあえずやってみる、でいいんです。やってみてダメでも、早い段階で周囲からフィードバックをもらえるので、新しい気づきや改善点をクリアにして修正できます。こうやって、組織全体としてPDCAを超高速で回す仕組みが出来上がっているのは強いと思います。
取材担当:超高速でPDCAを回す、というのは、特に大企業ではなかなか体験できませんよね。
中野:このスピード感があるからこそ、社員である僕らもどんどん経験値を得られて、成長を実感しやすい環境になっているんだなと感じますね。
ソラジマって本当に、全員が驚くほど成長意欲に溢れているんですけど、実際に成長できるかどうかは環境によるところが大きいじゃないですか。そういう意味では、ソラジマは社内に閉じ籠もらないで外へ外へと出ていく社風なので、外部の優秀な方々に相談して視座を上げよう、といった取り組みも活発に行っています。
自分たちよりもステージが上の個人や組織から積極的に刺激をもらって、日常的に落とし込んでいこうとしているんです。なので代表に限らず、僕たち自身も引き出しが増えている感覚はすごくありますね。
少なくとも毎週学びがあって、毎週組織全体が成長を続けているので、レベルアップのスピードはとてつもなく早いと思います。
変化を拒絶せず外部からも柔軟に吸収し続けている
取材担当:それら全てを支えているのが3つのカルチャーだと考えると、カルチャーはまさにソラジマの屋台骨ですね。
中野:カルチャーが浸透している会社っていいな、というのは入社前から感じていましたけど、その重要性は入社後に再認識しましたね。
僕はカルチャーって全ての根幹であり、企業におけるガソリンだと考えているんです。ソラジマが成長できているのは間違いなくカルチャーが根底にあるからだと思いますが、もともとはNetflixを参考にしているので、そうやっていいところを吸収していこうとする姿勢もソラジマの成長の秘密かもしれません。
他社のものであってもいい事例や記事はSlackで日常的に共有されていますし、会議の仕方や作品の作り方、各種福利厚生に至るまで、重要だと思った仕組みはどんどん外から取り入れています。
取材担当:変化を恐れず、改善点はどんどん話し合って変えていきたい、という姿勢が組織全体に根付いているのは非常に魅力的です。
中野さんは今後、成長著しいソラジマでどんな目標を立てていらっしゃるのでしょうか?
中野:僕はソラジマへの入社を決めた時から、時価総額1,000億円のユニコーン企業を日本で作りたいと思っていて、それは今も変わっていません。
もちろん企業価値が全てではないんですけど、社会的意義があるかどうかの指標のひとつとして考えると、そんな企業は日本ではまだ数社しかない。人生一回きりですから、歴史を作るまでのプロセスに自分も関わっていきたいなと。
だからこそ、もう上場しているような大企業に入るよりも、これから一緒にそういう企業を作り上げていこうと決心してソラジマに入りました。エンタメは日本が誇るカルチャーのひとつで、しかもグローバルに展開できるので、ポテンシャルは有り余っています。しかもマンガって翻訳さえすればすぐに世界へ広げていけるから、Webtoonの市場規模は計り知れないんですよ。Webtoonは2028年には3~4兆円の市場規模になる、といわれています。
この市場で、今の組織風土と体制でやっていくなら本気でいけるな、と思っています。
今から言うとバカにされるかもしれませんけど、Webtoonとかエンタメにはそれだけのポテンシャルがあるので、日本版ディズニーを目指したいですね。
優秀な人材が互いに高め合える環境が出来上がっている
取材担当:その目標を達成するためにも、今後ソラジマではさらなる事業拡大に向けて人手が必要になると思いますが、ソラジマが求める人物像はどのような方でしょうか?
中野:1年弱働いていて一番重要だと思ったのは、カルチャーに合っているかどうかですね。
まずはnoteにある3つのカルチャーを見ていただいて、自分の考えと一致しているか確認してもらうといいかなと思います。カルチャーとマッチしていればすごく働きやすい環境ですよ。
あとは、先ほどお話ししたダンベタの徹底であったり、成果に貪欲な人も大歓迎です。ただ、プライドが高過ぎてなかなか自分を変えられない、という人だと苦しむかもしれません。
ソラジマではアンラーニングができるかどうかも大切で、今までのやり方や固定概念、蓄えてきた知識なんかを一度全てリセットして、0から吸収していく姿勢が求められます。
わかりやすいところでいうと、Webtoonはヨコ読みのセオリーからタテ読みのセオリーになると全然別の世界になってしまうので、そこはアンラーニングが物を言いますね。今までのやり方に固執せず、フラットに学習できる人は向いていると思います。
取材担当:業務内容や環境に合わせて、柔軟に自分を変えていくことが求められるわけですね。
中野:そうですね。それにビジネス職の業務自体については一括りにできないので、どちらかというと専門性よりも総合力の高い人の方が活躍できそうです。
ビジネス職は縁の下の力持ち、みたいなイメージを持ってもらえるとわかりやすいかなと思います。全体でソラジマを作っていくルールや仕組みの整備、あるいは現場の売上を最大化するための支援やコスト削減、会社の根幹となる機能のサポート、土台作りをしていますね。
業務自体は幅広いですが、その分ハイポテンシャルな人はわりと自由に配置転換をして、いろいろなポジションや業務にチャレンジできるので、そういう環境に身を置きたい人におすすめします。そんな環境だからこそ優秀な人が集まっているし、互いに高め合えるから一人ひとりの能力の伸びも早いです。
高い志があって主体的に動ける人は本当に貴重なので、自分で「ソラジマにとってこれがベストだ」と考え、能動的に動ける人はぜひソラジマに来て欲しいですね。
▼ソラジマ共同代表 Twitter
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・前田儒郎:https://twitter.com/juro_maeda
・萩原鼓十郎:https://twitter.com/KJR_HAGI
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