3年ぶりの念願を叶えるために伊勢エビを食べてきた
「伊勢エビ、食べてみたいわねぇ」
我が家の祖母がぽつりと口を零した。
伊勢エビ、伊勢エビかぁ。
確かによく良く考えれば、伊勢エビなんて冠婚葬祭のコース料理で、ちょっと出てきたのを食べたくらいだろうか。
ロブスターなら半身に割ったやつをガーリックソテーか何かで焼いたのを食べた事がある気がする。
……伊勢エビ、食いたくなってきたな。
でも流石に、地元じゃ伊勢エビなんて売ってないし。
ちょいと足を伸ばして遠出するか。
よっしゃ!なぁばあちゃん!伊勢エビ食べに行こうぜ!
お店選び?道案内?介護?そんなもん自分が何とかするから!
食べたい時に食べたいもん食うのが人生ってものでしょ!
日程を決めて、綿密に慎重にお店も選んで、体調も整えて、いざ尋常に伊勢エビ捕食の旅へ!
…
……
…………
旅に、出たかった(´・ω・`)
この話をしていたのは、今(2023年現在)から約3年ほど前。
皆さんお察しのとおり、この頃から丁度憎きコロナウイルスが流行し始めてしまい、遠出や旅行の自粛ムードに包まれました。
かく言う我々も、コロナに阻まれてあれだけ楽しみにしていた伊勢エビ捕食ツアーも断念することに。
あれからもう、3年も経ってしまったのか。
当時まだ学生だったもんな。
月日の流れは平等だけど、残酷だ。
ようやく平穏を取り戻しつつあり、旅行や遠出も行える日常がこんなにも愛おしいなんて。
ねぇ、ばあちゃん。
私は今でも、あの日の約束を覚えるよ。
👵「生きてるうちに美味しい伊勢エビの刺身頬張りたいんだよ〜〜!!!!味噌汁も呑みたいねぇ〜〜!!!!腹減った〜〜!!!!」
っしゃ!!任せな!!
という訳で、江ノ島までやって来ました。
改めて、伊勢エビ捕食ツアーの開幕です。
当初は泊まりがけになる予定だったけど、自分のお仕事の都合で日帰りになってしまいました。
こればかりは仕方ない(´・ω・`)
今回お世話になったのは「丸だい仙水」さん。
江ノ島のでっけぇ橋をガーッと渡って、鳥居くぐったすぐ側にあります(伝われ)
ここはソライヌの美味いものセンサーが働いたので、ぜってぇ美味いのはほぼ確信済み。
メニューの一番最初に「伊勢エビ」の文字がある辺り、相当推してるのも分かる。
せっかく3年越しの念願を叶えに来たと言うことで、贅沢に1人1匹食べることに。
この時、自分も大きめの仕事を片付けた後だったからね。
たまのご褒美だって必要ですわ。
今はそれなりに働いて、生きていけるだけのお金だってあるんだし。
……私が言うのもアレだが、ばあちゃんも良く食うよなぁ。
「今からこれ捌きますからね〜!!」と愛想のいい店員さんが、生簀から捕まえた伊勢エビをわざわざテーブルまで見せてくれるサービス精神まで。
そして念願の伊勢エビ活け造りが到着!!
凄いぞ…!写真だから見せれないのが残念だけど、すっごい触覚が動いてる!
ありがたく命をいただきます。
え……うま……!!
美味すぎて語彙が出てこん……!!
ガチで美味い、プリプリってレベルじゃない。
ぶりっぶりやん。
えび特有の甘みと、噛めば噛むほど溢れる旨み。
また美味しい味を知ってしまったなぁ……
ばあちゃんも満足そうや。
顔がすっごいにやけとるもん。
多分自分も似たような顔してるんだろうなぁ。
許してくれ。
僕は刺身だけじゃ足りない身体なんだ。
これはサザエ丼定食だったかな。
甘めの卵でサザエと玉ねぎをとじた一品丼です。
付け合わせの巨大ハマグリも美味でした。
しかも嬉しかったのがねぇ……食べ終わった伊勢エビの頭を別で調理してくれたんですよね。
半分に割ってそれぞれお味噌汁と塩焼きに。
これまたうめぇんだ。
どっちも濃厚なミソの風味が堪能できて美味しい。
お味噌汁は懐かしさすら覚えるほっとする味、塩焼きは塩加減が絶妙なバランスで殻ごと食べれそうな勢い。
(伊勢エビはあんまり殻食べない方がいいらしいので、真似はしないでね。ケガするよ(1敗))
どちらも大変美味しゅうございました。
念願の伊勢エビ、食べられて幸せでした。
ばあちゃんも嬉しそうで何より。
まだまだ元気でいてくださいね。
帰りは新江ノ島水族館に寄って帰りました。
余談ですが、実はウチのばあちゃん……目の病気でほとんど視力がありません。
日常生活を送るのも、電子ルーペを駆使しないとほぼほぼ何も見えないレベルで目が見えない。
実はむかーし……ソライヌがまだ小学生ぐらいの頃、目的は覚えてないけど一緒に江ノ島に来たことがあって。
ばあちゃんが「水族館行きたい」と言った時に無遠慮ながら「大丈夫?見えるの?」と聞いたら「舐めてもらっちゃ困るわよ。気合いよ、気合い」と答えられたのを、今でも何故か鮮明に覚えてます。
とはいえあんまり正確には見えてないので、「今横切った黒い塊は?」「エイはどの辺にいる?」「下には何がいるのかしら?」とちょくちょく私に質問を投げかけてくれます。
「今横切ったのはクロダイかな。刺身にすると美味しいよね。エイも水槽の壁に張り付きながら何匹か泳いでるよ。上手く調理すればムニエルとかにできるんだって。凄いね、下にはウツボもいる。唐揚げにしたら美味いよ〜」
などと下手くそながら説明すると
「アンタっていつも食べ物の話しかしないわよね」といつも笑われます。
今日もソライヌは元気です。
おしまい
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