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欲望のままに【20240803】

 早くに起きたのにも関わらず、ずっと携帯を弄ったり時間を無駄遣いしたりした日。

 どうしても宿題をする気にはなれず、だからといって読書を始めるわけでもなく音楽に溺れるわけでもなく、本当に意味のない時間を過ごした。
 今日の総括だ。反省点ばかりである。けれど、楽しいこともたくさんあった。
 朝、兄と朝マックに行った。わたし達の先に入店したカップルらしき高校生二人組の後ろ姿を見て、わたし達もカップルに見られているのだろうか、なんて思った。決して口には出さなかったけれど。ソーセージマフィンは美味しくて、ハッシュポテトも美味しくて、カフェラテも美味しかった。朝の活動したてな身体にはぴったりなサイズ感で、最初に考案した人に拍手を送りたくなった。
 昼、蕎麦を食べた。お稲荷さんと一緒に蕎麦を食べて、やっぱりうどんが好きだと失礼なことを考えた。
 夜、ひとりで牛丼を買いに行った。チーズが大量にのっている牛丼。お店に入る前はやけに緊張したけれど、店員さんが優しくて助かった。お店のほとんどの店員さんが外国人で、外国で働くことへの勇気にまた拍手を送りたくなった。
 牛丼片手に、スーパーで炭酸とグミを買った。お菓子売り場には商品の配列をする店員さんがいた。商品がたくさん入ったケースが、グミの棚の前にあった。声をかけるか、諦めるか、ひっそりと手を伸ばすか。ずっとその場にいて、店員さんに気づかれたとき、きっとわたしは場の空気に耐えられなくなる。だから、一生懸命に手を伸ばした。好きなグミだけど、気分ではなかったグミを炭酸とともにレジへ持っていった。
 兄はお祭りへ、他の家族は弾丸旅行を満喫しているので、わたしはひとりで牛丼を味わった。ちょっとだけ、寂しい味がした。
 そのあと、ようやく宿題と向き合って、でも携帯を触ってしまって、理想と現実の差に苦しくなっていたとき、母から電話がかかってきた。テレビ電話の設定にしたけれど、こちらはカメラをオフにして応えた。画面の中には父と母がいて、父はずっと変顔をしていた。母は楽しそうで、わたしも笑顔になっていた。バイバイ、と最後に手を振られて、わたしも振り返した。カメラはオフだったのに。

 明日こそ、ちゃんと勉強できますように。そう祈りを込めて、今日の日記を終わりにする。


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