つき

  真夜中 浮かぶ 真ん丸
  照らす月 僕の行く末
  瞼に潜む消えない残像

 あの日の二人がそこにいて
   ずっと消えないで
   ずっと消えないで
  変わらない姿の君がいて

一雫ただそれだけ 頬をつたって
  泣いていた それだけで
 歩いていく術を持たない僕は
  このまま埋もれてしまう
 跡形もなく 全て呑み込んで

 あの日の僕はまだいて君がいない
  消えていった瞼の裏から
 ただ一つの最後の記憶さえも

  一雫の涙も頬を流れない
 枯れ果てた ただそれだけで
 歩いていく術を持たない僕は
 灰になり飛んでいく風とともに
 風化して ~      ~

 誰も知らない 誰もが知りえない
     つきの お話
   何も変わらない 日常

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