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破産により学んだ10の事

前回は、私の「振り返りとフィードバック」について書きました。
今回は、「破産によって学んだ10の事」について書きたいと思います。


講演でいつもお伝えすること

こちらで書いた通り、私は会社の破産と自己破産について講演をする事があるのですが、そこで皆さんにお伝えしていることがあります。
それは破産から学んだ10の事で下記になります。
こちらは主に会社経営者向けの内容なのですが、個人の方に当てはまると思ういくつかを取り上げて、書いてみたいと思います。


破産により学んだ10の事


01)事業資源(ヒト・モノ・金・時間・情報)の投資は集中するべき

個人でも会社でもそうですが、大企業でない限り事業資源(リソース)は限られおり、あれもこれもでなく集中して投資すべきだという話です。とてもあたり前のことなのですが、私はこれができませんでした。
自身が社長になった2009年においても日本はすでに少子高齢化に向かっており、会社のメインのターゲットである「子供」が減少し、売上も少しずつ減少の一途でした。
そのため、私は下記の4つの事を進めることにしました。

<マルサ斉藤ゴムが行った事>
○他社との差別化  > ①日本で唯一手作りゴム風船工場の取得
○ターゲットの拡大 > ②marusa balloon & ③ふうせんバレー
○先端市場へ進出  > ④ヨーロッパ&アメリカへ販売
○人口増市場へ進出 > ⑤フィリピンへ進出

①は千葉県銚子市で老夫婦が営んでいた手作りゴム風船工場を、M&Aで取得し若い職人を雇い技術承継をしました。

手作りゴム風船工場


②はデザイナーと協業し、①の工場で世界初のコンセプトのゴム風船を作り、大人も欲しくなるような製品を作り雑貨市場へ進出する商品を開発しました。

marusa balloon


③は風船の使途を子供だけでなく、お年寄りや障害者の方の軽い運動用のボールとしての商品を開発しました。

ふうせんバレーボール


④は②の商品をバルーンの先端市場である欧米のマーケットへ展開していきました。

ドイツのフランクフルトで展示会


⑤は父の代まで、日本の高度成長期の人口が増えていく市場を外に見つけ、今までの会社の成功モデルの横展開を図りました。

フィリピン市場へバルーンの販売展開

以上のそれぞれは決して間違った方法とは今も思っていませんが、年商2億円、人数が10名にも満たない企業においてはあまりにも手を広げすぎ、特に海外は私一人が担当していたため負荷が大きかったです。
結局は特に⑤がフィリピンで会社を立ち上げて約3年で、売上がものすごい勢いで伸び、それに伴うキャッシュの枯渇で道半ばで頓挫してしまいました。
そのため、リソースの準備と配分とスピードを誤ってしまった失敗だと思います。

09)甘さは命とり!人に対する期待・信用・信頼は良いが、裏切られる覚悟はしておく

こちらは私が会社を破産させる原因の1つが、会社の商品の製造を委託していたタイのT社のオーナーとの確執になります。
この方は日本人で若いときからアジアを中心に海外で仕事をしており、大学時代に彼にあった私はすぐに憧れてしまい、大学の卒業後に彼の会社に入り3年間修行をし、彼からビジネスの礎を教えていただいた恩師でもあります。
この方は、1995年に私の父とタイで風船のパッキングする会社を共同で興し、父が亡くなった後は彼が実質オーナーとなりました。父が存命の間はあまり問題がなかったのですが、父がなくなった後に彼は少しずつ変わっていき、やがて様々な嫌がらせと脅しに近いような事を私に突きつけて、最後は欺かれて、私は会社を畳む決意をしました。
私は彼を尊敬しており、また信用信頼をしていたため、会社を畳んだ後の私はそのショックもあり鬱になりました。そしてそこから復活した後も3年間は躁鬱を繰り返すこととなりました。
当時を振り返ると、私の甘さがあったのだと思います。
信用信頼をすることはとても良いことですが、人は裏切る事があることを身を持って知りました。
ま、覚悟をしていても、ショックはショックなんですけどね。

10)自分は大丈夫と思っていても人は簡単に病む⇒ダメな自分も受け入れて全てを愛す

生まれてから45年間、私はスーパーポジティブな人間で、たとえ落ち込んでも一晩眠れば翌日にひきづる事はありませんでした。しかし会社の整理が終わり、コロナで家に籠もった3ヶ月間は壮絶な鬱に悩まされました。
そして知ったのは、どんな人間でも心を病むことがあり、病んでしまった時に重要なのは、自己否定する自分も含めて弱い自分、ダメな自分を受け入れて全てを愛すし、時間をかけて自然と治癒されるまで待つしかないということでした。
ここ1年ほどは、躁鬱を繰り返すことなく、以前より幸せな毎日を過ごしております。
こんな私を受け入れて、ずっと支えてくれた家族や友人のおかげだと、大変感謝しております。



最後に

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
ここでは、私の想いや活動などを書いていきたいと思います。
シリーズをマガジンにしました。「スキ」して応援よろしくお願いします。

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また、お問い合わせはお気軽にメールにてお願い申し上げます。

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