(2020.1.2)ソウル、極寒の迷子×BBCHホール

2023年4月30日 14:19

(前回のあらすじ)カフェ行ってフードコート行って喫茶店行った。その間ひとつも買い物はしていない。

喫茶店で時間を潰したあと、キャリーを預けに今夜の宿へと向かった。場所は忘れた。5年半前のことなので許して欲しい。Airbnbで探し出しゲストハウスは、簡潔かつ簡単な英語で予約やり取りしてくれとても助かった。
メールで送られてきた指定の番号をドアボタンに入力し中に入ると、白を基調とした手作り感あふれる内装をしていて、いかにも安価なゲストハウスという印象だった。一方部屋は清潔なシーツと床暖房で快適。窓に関してはガコガコと鳴らしながら無理やり開けると景観は即隣の建物だった。シャワー室は無駄に広く、思わず実家を思い起こすような昭和(？)って感じのタイル張り。そこにくっついてる手洗い場は排水パイプの口がむき出しで、水を出した瞬間足にびしゃびしゃ落ちてきたので笑った。どういうことなんだってばよ。換気扇もなかったので夜はもわもわをガコガコの窓の隙間から逃がした。乾燥してたし多少は良かったのかもしれない。
格安ゲストハウスの洗礼を受けながらも私は梨泰院(イテウォン)、漢江鎮(ハンガンジン)に繰り出すスケジュールにウキウキだった。その時はウキウキだった。

🚃

梨泰院から漢江鎮にかけて、食器や雑貨が買える店でひしめきあっているという情報を手に入れ、私は下調べゼロで梨泰院に降り立った。16:00頃で、辺りは少しだけ暗くなってきていた。
そして私はまたもや下調べなし徘徊の洗礼を受けた。(https://note.com/sorade_itta/n/n773fb4c16ca4　参照)
見渡しても小綺麗なマンションだらけで、お店らしきものはひとつも見当たらない。(年始でクローズしてたのか…？)
辺りはどんどん暗くなってきており、私は静かに焦り始めていた。幸運にも時間はあった。この日の最後のミッションは狎鴎亭(アプクジョンドン)にあるクァンリムアートセンターBBCHホールにて、ノテヒョン主演の“アイアンマスク”を観劇することだ。この旅の目的はこれだ。
狎鴎亭は漢江鎮から南東方向、漢江を越えた所に位置している。時間もあるし、と、私は歩いて漢江を横断することに決めた。地下鉄だとなぜか大回りさせられるのだ。すでに辺りは夜のとばりを落としていた。
私は急勾配の坂道だらけの漢江鎮を南下し、車がビュンビュンと走る太い道路沿いを足早に歩いた。何人か人が並ぶバス停を通りすぎ、いよいよ漢江が見えてこようとしているその頃、私は強い違和感を抱いていた。先に誰もいない。ひとっこひとりおらず、スピードを出して通りすぎていく車たちの音しかしない。
私は歩道を歩き続けた。漢江が見え、漢江沿いを走る高速道路(？)の上を私は進もうとした。

歩道は浮いており、その先は無かった。

ガードレールで一応は閉じられている。まるでプールの飛び込み台か、地元千葉の名物観光地“地獄のぞき”のようだった。

このままガードレールを乗り越えれば高速道路にダイブできる。私は逐一スマホでマップを確認していたせいでかじかみ、あかぎれだらけになった手を握りしめ、そこに数分立ち尽くした。

🏃‍♀️

ここまでかなりの距離を歩いてきた。私は急いで駅まで戻り、大回りさせられる地下鉄に乗らなければならなかった。私は環八(東京都道311号環状八号線)にそっくりな、太くて車の通りが多い道を、ただひたすら歩いて漢江鎮へと戻っていった(バス利用挑戦してみれば良かったのにね。でも本当に余裕がなくて確実にたどり着ける方法を選んだのであった)。

NAVERの著作権が調べてもよくわからなかったのでお見苦しい手書きですが失礼します

🚃

なんだかんだで余裕をもって狎鴎亭につくことができ、私は夜ご飯と称してパン屋併設カフェに入った。昼に食べたスジェビがあとを引くかと思いきや、とにかく寒くて空腹だった。サンドイッチを台から手に取り、カウンターでホットグレープフルーツティーを頼んだ。アルバイトっぽい女の子が私の支離滅裂な韓国語を聞き取れず、指差しでなんとか注文できた。凍えていたのでホットジュースが身に染みたし、サンドイッチはたしかアボカドが入っていて、パンなのか具なのか甘い味もして、とってもおいしかった。写真を撮れば良かったなぁ。

BBCHホールまではすぐだった。お決まりのフォトブースがある。チケットはグローバルチケットで引き換えが必要だったと思うがあまり覚えていない。どうせならと２階中央最前の席を取った私は一切言葉のわからないミュージカルを堪能した。
ミュージカルの記憶がほぼないのでTwitterスクショ連投します。