2021.2.7
花束みたいな恋をした、観てきた。
もうなんか、とんでもない映画だった。
徹底した時代考証、セットひとつひとつが表す設定の作り込み、「わかるな〜」という小気味よい社会風刺、イライラさせられながらも共感せずにはいられない麦と絹。
友達の友達なのでは?と思わされるリアルさが、自分自身の過去と現在をえぐるえぐる。
宝石の国、2021年現在まじでしんどすぎるので、麦くんが楽しんでいた頃のままで立ち止まるのが、よかったのかもしれない。(でも好き)
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「我々のこれまでの道のりは美しかった。ただ、あと一歩だった」
麦くんが映画の終わりに放った言葉は、2014年のサッカーW杯準決勝で開催国ブラジルがドイツに歴史的大敗を喫した後、ブラジルチームの選手ジュリオ・セザールのもの。
ああこの世はほんとうに、ほんとうに「あと一歩だった」で、溢れているんだなって。口に出してみればごく当たり前のことを実感させられて。
麦と絹だってあと一歩だったんだ。
あと一歩のところで終わってしまったもの、あと一歩を超えられたもの。
数十年かけて自分に積もったであろうそれらを、振り返らずにはいられない映画だった。
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パンフレットも、とっても素敵です。
読んでくださいましてありがとうございます〜