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それでもあなたと


私は頭に装着している冷たい機械が嫌いだ。こんなもの捨ててしまいたい。


「ねえ百年記念日だから会ってみよ!見つけてね?」

でも、あなたに会える時間はすき。
声は知ってる、顔も知ってる、背丈も、どんな風に笑うのかも。
ただ、“会ったこと” は、ない。

硬そうでボロボロの街。こんなところに住んでたなんて信じられない。
少し歩くと陽が当たる広場があった。ここで待とう。

7日後。
多分走ってきたのだろう、呼吸が荒い、初めて会う、ずっと好きだったひと。

「さぁ帰ろう」
今、会えたのに?もう??私はここであなたといたいのに。
帰るのなんか嫌。ずっと一緒にいよう?

あなたは少し困った顔をして笑った。

「目を閉じて」
一瞬が永遠になればいいのに。ふたりゆっくり瞼を閉じた。

パチン

私は彼の電源をOFFにした。
夢うつつで微笑むあなたの横顔を眺める。なんて綺麗な顔......
この場面が好きなんだよね?

また明日電源入れてあげるね、とキスをした。









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